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【財務省予算執行調査】地域連携薬局を算定要件に-地域支援体制加算で提言

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2023年07月07日 AM10:06

調剤報酬の地域支援体制加算を算定した薬局のうち「」として認定されている薬局はわずか8%であることが、財務省の2022年度予算執行調査で明らかになった。今回の調査結果を受け、財務省は、地域連携薬局の認定を受けていることを地域支援体制加算の要件とするよう提言。処方箋集中率が高い薬局は原則として対象から除外するなど、算定要件の見直しを求めた。

調査は、19~22年度に全国5万9396薬局を対象に実施したもの。地域支援体制加算の算定薬局の実態や施設基準について、地域包括ケアシステムの中で地域医療に貢献する薬局を適切に評価するための要件になっているかを調べた。

調剤基本料1を算定する薬局は、地域支援体制加算の要件が大幅に緩和された結果、処方箋集中率95%超の薬局の4分の1程度、集中率85%超から95%以下の薬局の4割が加算を算定できる状況となっていた。

地域支援体制加算の算定要件となる地域医療に貢献する体制を有することを示す実績を見ると、「地域の多職種と連携する会議への出席」が要件を満たす最小限の実績(1回)である薬局が約3割を占めた。

また、2を算定している薬局の各実績を見ると、「外来服薬支援料」「服用薬剤調整支援料」「服薬情報等提供料」の実績を満たした薬局は少なく、選択可能な複数の実績要件の中で基準該当性に著しい偏在が生じており、9割の薬局はこれら以外の実績要件で三つ以上満たしていた。

地域連携薬局の認定要件については、医療機関への情報提供や時間外対応の実績など、地域支援体制加算の算定要件と重なる項目があるものの、今回の調査において地域支援体制加算を算定した薬局のうち、「地域連携薬局」として認定されている薬局は、わずか8%だった。

後発品の調剤割合については、処方箋集中率が85%を超える薬局は「後発品の調剤割合50%以上」であることが求められているが、後発品置き換え率50%以下は調剤基本料の減算対象であり、対象薬局は限定されていることから、地域支援体制加算の算定要件として有効に機能しているとは言い難いとした。

財務省は、「調剤基本料1の薬局を対象とした地域支援体制加算1.2の要件は大幅に緩和されており、さらに緩和された要件自体も有効に機能しているとは言い難く、当該加算の制度趣旨に沿った要件になっていない」と指摘。「地域連携薬局の認定を地域支援体制加算の要件とすべきではないか」と提案した。

同調査に対し、日本薬剤師会の安部好弘副会長は5日の定例会見で、地域連携薬局を地域支援体制加算の算定要件とする考え方に言及。「両者で類似している項目はあるが、基本的にはつなげない。地域体制加算については既に一定の評価がされている」と否定的な見解を示した。

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