厚生労働省は4日、「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」でスイッチOTC化に向けた検討を進めている候補3成分に対する意見の募集を開始した。同検討会議で上がった課題と対策をまとめており、8月2日まで募集している。
意見募集の対象は、乳糖分解酵素製剤で、ニプロESファーマの「β-ガラクトシダーゼ(アスペルギルス)」(販売名:ガランターゼ散50%)、高田製薬の「β-ガラクトシダーゼ(ペニシリウム)」(ミルラクト細粒50%)、久光製薬の経皮吸収型過活動膀胱治療剤「オキシブチニン塩酸塩」(ネオキシテープ73.5mg)の3成分。
医療用医薬品のOTC化の流れとして、候補成分について検討会議で課題と対応策を議論した上で、意見募集を実施。その内容を踏まえ、再び同検討会議を開いた上で、薬事・食品衛生審議会要指導・一般用医薬品部会に意見として示すこととしている。
β-ガラクトシダーゼについて、乳糖不耐症の診断は各種下痢症の鑑別を行いながら到達するものであり、医師の適切な診断が必要との課題に対して、同検討会議では、効能・効果を「牛乳や母乳、ミルクなど乳糖を含む食品による下痢や消化不良、体重減少の改善」と置き換えた方が良いとの対応策が出た。また、ドイツでのOTC実績を踏まえ、対象者を3歳以上の小児と成人にすることが考えられるなどとした。
オキシブチニン塩酸塩に関しては、抗コリン剤の投与による認知症への影響が指摘されているとして、購入時にお薬手帳で抗コリン作用を有する薬剤を服用していないか確認することが望ましいとした。
初回投与で症状改善しない人には、再販売することなく泌尿器科専門医の受診勧奨をする条件が必要としたほか、有効であっても長期服用は避け、診察、治療を推奨することが望ましいなどとした。