症例や患者に応じて柔軟にアームの位置調整が可能
札幌医科大学は7月4日、2023年7月から保険適用となったメドトロニック社の最新手術支援ロボット「HugoTM RAS(ヒューゴ 手術支援ロボット)システム」を同大附属病院に導入し、大腸がん手術への日本で第1例目となる手術を実施し、安全に終了したことを発表した。この手術は、同大消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座の竹政伊知朗教授らが実施したものだ。
画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)
手術支援ロボットのメリットは、最先端のビデオ技術により、手術野を高解像度な3D(三次元)画像かつ拡大した視野でとらえることができることだ。また、手振れ防止機能の付いた鉗子操作により、精細な手術操作が可能となっており、見る、切る、縫う(再建する)という点において、従来の手術よりも高い精度の手術が実現可能となっている。
この最新手術支援ロボットは、独立した4本のアームを使用するため、従来の手術支援ロボットとは異なりアームの位置調節が可能で、症例や患者に応じて柔軟な配置が可能となる。また、術者の操作画面を複数のスタッフが同時に確認できるオープンコンソールとなっており、コミュニケーションも容易にとることが可能だ。
消化器外科領域の手術に使用できる新たな手術支援ロボット
同大附属病院消化器・総合、乳腺・内分泌外科で行っているロボット支援手術は下記の術式である。(保険適用となっていない消化器外科手術も含む)
・ 腹腔鏡下直腸切除・切断術
・ 腹腔鏡下胃切除術
・ 腹腔鏡下噴門側胃切除術
・ 腹腔鏡下胃全摘術
・ 腹腔鏡下膵体尾部腫瘍切除術
・ 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍手術
・ 腹腔鏡下肝切除術
竹政伊知朗教授は、「消化器外科領域の手術に新たな手術支援ロボットが使用できるようなり、選択肢が増えた。北海道の患者さんにより安全で高度な医療を提供することにつながる」と、述べている。
▼関連リンク
・札幌医科大学 プレスリリース