設立総会では会員、会則、役員などを議決。理事には10学会の推薦で15人が就き、監事は2人が就任した。設立に当たって多数の学会・団体に幅広く参画を提案し、実際の入会見通しは不透明で関係者も予測しづらい状況だったが、26学会・団体の賛同を得て薬系領域の連合体と言える形になった。
入会可能性のある6学会がオブザーバーで参加しており、会員数のさらなる増加も見込まれる。入会が決まれば、理事数は当初案をもとに最大で13学会推薦の18人となる可能性がある。
入会を保留しているこれらの学会に対し、早急に態度を決めるよう求める考え。理事会メンバーが固まれば、意思決定を経て事業を本格的に展開する計画だ。薬に関係する各種学会の連合体として、社会に役立つ情報や声明を発信するプラットフォームの役割を担う。ホームページの開設やニュースレター発行などの活動は速やかに開始する。
副会長には、日本医療薬学会前会頭の奥田真弘氏(大阪大学病院教授・薬剤部長)、望月眞弓氏(日本学術会議副会長)の2人が内定している。理事会メンバーの最終決定に伴い、副会長も正式に決める。
あいさつした高倉氏は「まだ設立しただけで、どんな活動をしていくのか、社会にどんなメッセージを発信するのか、今後その真価が問われる。理事会などの体制を早急に整えたい」と説明。私案として「近いうちに設立記念シンポジウムを開催したい」と語った。
来賓としてあいさつに立った日本医学会連合の門田守人会長は「学術団体が機能を果たすことが今の日本に必要だが、単一の学会が専門的なことをどんなに進めても限界がある」と述べ、連合体となって力を結集する必要性を説いた。
発足のきっかけは、日本学術会議の新規会員任命への政府の介入。2020年12月に門田氏の働きかけによって日本医学会連合、日本歯科医学会連合、日本薬学会、日本看護系学会協議会が連名で、政府の姿勢を批判する共同声明を発出した。これを機に薬学も、医学や歯学、看護学と足並みを揃えて連合体を形づくるため、関係者が2年以上かけて準備を進めてきた。
設立時の会員は、▽日本医薬品安全性学会▽日本医薬品情報学会▽日本医療薬学会▽日本核酸医薬学会▽日本核酸化学会▽日本緩和医療薬学会▽日本くすりと糖尿病学会▽日本小児臨床薬理学会▽日本生薬学会▽日本食品化学学会▽日本腎臓病薬物療法学会▽日本精神薬学会▽日本DDS学会▽日本TDM学会▽日本毒性学会▽日本PDA製薬学会▽日本微量元素学会▽日本ファーマシューティカルコミュニケーション学会▽日本薬学会▽日本薬学教育学会▽日本薬物動態学会▽日本臨床栄養協会▽日本臨床化学会▽日本臨床腫瘍薬学会▽日本老年薬学会▽ライフインテリジェンスコンソーシアム――の26学会・団体。