医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > プレミアム > 薬系学会連合が設立総会-26学会・団体参画で発足

薬系学会連合が設立総会-26学会・団体参画で発足

読了時間:約 2分13秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2023年07月05日 AM10:41

薬に関係する複数の学会・団体が集まって社会への情報発信や意見表明を行う日本薬系学会連合が3日、都内で設立総会を開き、正式に発足した。設立時の会員数は26学会・団体。主軸となって設立構想を練ってきた日本薬学会と日本医療薬学会のほか、、日本毒性学会など基礎と臨床の多様な学会・団体が設立に賛同し、入会を決めた。会長には、日本薬学会元会頭で顧問の高倉喜信氏(京都大学副学長・白眉センター長)が就いた。

設立総会には会員学会・団体の関係者が集まった

設立総会では会員、会則、役員などを議決。理事には10学会の推薦で15人が就き、監事は2人が就任した。設立に当たって多数の学会・団体に幅広く参画を提案し、実際の入会見通しは不透明で関係者も予測しづらい状況だったが、26学会・団体の賛同を得て薬系領域の連合体と言える形になった。

入会可能性のある6学会がオブザーバーで参加しており、会員数のさらなる増加も見込まれる。入会が決まれば、理事数は当初案をもとに最大で13学会推薦の18人となる可能性がある。

入会を保留しているこれらの学会に対し、早急に態度を決めるよう求める考え。理事会メンバーが固まれば、意思決定を経て事業を本格的に展開する計画だ。薬に関係する各種学会の連合体として、社会に役立つ情報や声明を発信するプラットフォームの役割を担う。ホームページの開設やニュースレター発行などの活動は速やかに開始する。

副会長には、日本医療薬学会前会頭の奥田真弘氏(大阪大学病院教授・薬剤部長)、望月眞弓氏(日本学術会議副会長)の2人が内定している。理事会メンバーの最終決定に伴い、副会長も正式に決める。

あいさつした高倉氏は「まだ設立しただけで、どんな活動をしていくのか、社会にどんなメッセージを発信するのか、今後その真価が問われる。理事会などの体制を早急に整えたい」と説明。私案として「近いうちに設立記念シンポジウムを開催したい」と語った。

来賓としてあいさつに立った日本医学会連合の門田守人会長は「学術団体が機能を果たすことが今の日本に必要だが、単一の学会が専門的なことをどんなに進めても限界がある」と述べ、連合体となって力を結集する必要性を説いた。

発足のきっかけは、日本学術会議の新規会員任命への政府の介入。2020年12月に門田氏の働きかけによって日本医学会連合、日本歯科医学会連合、、日本看護系学会協議会が連名で、政府の姿勢を批判する共同声明を発出した。これを機に薬学も、医学や歯学、看護学と足並みを揃えて連合体を形づくるため、関係者が2年以上かけて準備を進めてきた。

設立時の会員は、▽日本医薬品安全性学会▽日本医薬品情報学会▽▽日本核酸医薬学会▽日本核酸化学会▽日本緩和医療薬学会▽日本くすりと糖尿病学会▽日本小児臨床薬理学会▽日本生薬学会▽日本食品化学学会▽日本腎臓病薬物療法学会▽日本精神薬学会▽日本DDS学会▽日本TDM学会▽▽日本PDA製薬学会▽日本微量元素学会▽日本ファーマシューティカルコミュニケーション学会▽日本薬学会▽日本薬学教育学会▽日本薬物動態学会▽日本臨床栄養協会▽日本臨床化学会▽日本臨床腫瘍薬学会▽日本老年薬学会▽ライフインテリジェンスコンソーシアム――の26学会・団体。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 プレミアム 行政・経営

  • 【厚労省】フェンタニル適正発注を-出荷制限で供給不安受け
  • 【日薬】「クレーム対応保険」開始-カスハラの弁護士費用補償
  • 【政府】要指導薬の遠隔販売検討-規制改革会議が中間答申
  • 【文科省25年度予算案】創薬人材養成に1800万円-年度内には1大学選定へ
  • 【厚労省】電子処方箋、発行再開を延期-医療機関の点検完了せず