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皮膚の弾力性と真皮の厚みの改善に、筋力トレーニングが関与-立命館大ほか

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2023年07月03日 AM10:42

運動の皮膚への効果は?中年女性対象に運動前後の血液などを解析

立命館大学は6月30日、40-50代の女性を対象とした運動介入で、有酸素性運動と筋力トレーニングの両方が皮膚の弾力性と真皮構造を改善させること、特に筋力トレーニングは真皮の厚みを増加させ、若々しい外見に貢献する可能性があることを世界で初めて明らかにしたと発表した。この研究は、同大スポーツ健康科学部の藤田聡教授らと、ポーラ化成工業株式会社の共同研究グループによるもの。研究成果は、「Scientific Reports」に掲載されている。


画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)

運動は、脳や筋肉の老化に対してアンチエイジング効果を示すが、皮膚に対してどのような効果を有するかについてはよくわかっていない。特に、筋力トレーニングの皮膚に対する効果については世界的にも先行研究がなく、そのメカニズムも不明だった。

研究では、40-50代の女性61人を、有酸素性運動群と筋力トレーニング群に分け、4か月間に渡り、週2回の運動を行ってもらった。試験の前後で皮膚計測、採血、体組成測定、運動パフォーマンスの評価などを実施し、運動介入による変化を解析した。また、運動前後に採取した血液の成分解析や、血液サンプル(血漿)が培養真皮線維芽細胞の真皮の細胞外基質(ECM;Extracellular Matrix)の遺伝子発現量に与える影響を解析することで、運動による皮膚老化改善メカニズムの解明を試みた。

有酸素性運動と筋力トレーニング両方で皮膚弾力性と真皮構造が改善

結果、有酸素性運動と筋力トレーニングは、どちらも皮膚老化の指標である皮膚弾力性と真皮構造を改善し、その機序として運動による血中成分の変化が皮膚の重要な層である真皮のECMを増加させることを明らかにした。

筋力トレーニングでは、真皮の厚みも改善

さらに、筋力トレーニングは加齢によって薄くなっていく真皮の厚みも改善することも解明。その機序として、筋力トレーニングによって血中の炎症性ケモカイン(CCL28とCXCL4)が減り、その影響で真皮のECMの一種バイグリカンが増えるためであることも突き止めた。

研究により、筋力トレーニングが健康だけでなく美肌にとっても良い作用があることが科学的に示されたことで、運動を始めるきっかけや継続するモチベーションとして役立つことが期待される。 「研究から、運動のメリットがまた1つ明らかになった。この成果をきっかけに運動をする人が増え、年齢を重ねても健康で美しく、彩りある人生を歩む人が一人でも多く増えることを願っている」と、研究グループは述べている。

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