調査は今夏~2024年3月末までを予定している。地域の一部薬局での試験的運用を通じ、適正販売が確保できるか、チェックリストやリーフレット等の活用可能性などを調査解析する。
試験的に販売を行う薬局は「緊急避妊薬の調剤実績のある薬局」を中心に、調査研究に協力してくれる薬局を募り、条件を満たす薬局を2次医療圏~3次医療圏に一つ程度予め選び、公表する。
選定され得る薬局の条件として、▽オンライン診療に基づく緊急避妊薬の調剤の研修を修了した薬剤師が販売可能▽夜間および土日祝日の対応が可能▽プライバシー確保が可能な個室等の販売施設を有する▽近隣の産婦人科医、ワンストップ支援センターとの連携体制を構築可能――の四つを挙げた。
調査内容は、▽薬局に対する販売状況(全販売事例)▽購入者に対するアンケート▽薬局と連携する産婦人科に対するアンケート――の三つを予定している。
具体的には、薬局では購入者への緊急避妊薬の説明のほか、チェックリストやリーフレット、留意マニュアル等を作成し適切な対象者の選定ができたか、性感染症のリスクや計画的な避妊法等に関する説明を行ったか、近隣の産婦人科医やワンストップ支援センターへの案内等の指導を行うことができたか、対応に苦慮した事項がないかなどの聴き取りのほか、夜間および土日祝日対応の実態を把握する。
購入者に対しては、避妊の結果、妊娠検査実施の有無、産婦人科受診の有無、サービスに対する満足度を調査し、産婦人科に対しては、販売時の状況やフォローアップ状況等をアンケートで収集する。
構成員からは、対応できる薬局の軒数について「対応可能薬局の範囲を広げるべき」との声が多く挙がった。2次医療圏ごととすると全国335軒の薬局となるが、宗林さおり構成員(岐阜医療科学大学薬学部教授)は、「必要な人がある程度アクセスできるべきだと思うが、実際に本当にアクセスできるのか。健康サポート薬局は中学校区に一つあるので目安としてはどうか」と提案した。
平野健二構成員(日本チェーンドラッグストア協会理事)も「研修を修了した薬剤師であることや産婦人科医との連携の構築など、最低限の要件は必要だと思うが、限定しすぎるべきではない。手を挙げた薬局ができるだけ調査に参加できるようにすべき」と主張。多くの薬局に広く協力要請することで、OTC化の課題発見につながるとの考えを示した。
また、アンケート調査の実施が購入者の適切なアクセスを妨げるとの意見も出た。今後の進め方について厚労省は、「症例数や期間など、今回の意見をもとに検討し、調査研究を行い、結果はまとまり次第公表する」とした。