厚生労働省は21日、医療給付の受給者に関する調剤行為の内容などをまとめた2022年「社会医療診療行為別統計」の結果を公表した。薬局調剤では集計対象のレセプト件数が5.5%増と2年連続で増加した一方、1件当たり点数は2.6%減、受付1回当たり点数は2.1%減と減少した。22年度調剤報酬改定で評価体系を見直した影響で、薬学管理料と調剤技術料の受付1件当たり点数がほぼ同水準となった。
調査は、昨年6月審査分として審査決定された医療保険制度の診療報酬明細書と調剤報酬明細書のうち、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)に蓄積されている全数集計を対象としたもの。
集計対象となる保険薬局のレセプト件数は5374万7600件と前年に比べて増加した。薬局における調剤行為の1件当たりの点数総数は1070.5点で、同29.0点、2.6%減となった。受付1回当たり点数は909.7点で、同19.2点、2.1%減となった。
調剤行為別に見ると、「薬剤料」が657.5点と最も高かったが、18.9点、2.8%減少した。構成割合は72.3%と0.5ポイント低下した。次いで、「調剤技術料」は126.6点で74.2点、37.0%減となった一方、「薬学管理料」は123.5点で73.8点増となり、前年から約2.5倍とほぼ調剤技術料と同水準となった。22年度調剤報酬改定で薬局・薬剤師業務の評価体系の見直しがあり、調剤技術料の一部が薬学管理料に再編された影響としている。
医科の入院外における院外処方率は前年から0.8%増の79.1%で、病院が0.4%増の81.5%、診療所が0.9%増の78.4%となった。
後発品の使用状況を見ると、薬剤種類数に占める後発品の種類数割合は総数で78.2%と前年から0.3ポイント増加。内訳を見ると、入院が1.1ポイント減の73.2%、院内処方が0.3ポイント減の66.7%、院外処方が0.4ポイント増の80.7%だった。