カナダ政府がタバコ1本1本に健康被害警告の表示を義務化
カナダ政府でメンタルヘルス・依存症担当大臣兼保健副大臣を務めるCarolyn Bennett氏は、世界禁煙デーに当たる5月31日に、カナダでは間もなく、紙巻きタバコ1本1本への健康被害警告の表示が義務付けられるようになると発表した。このような警告表示の義務化に踏み切るのは、世界でカナダが初めての国となる。
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Bennett氏は、「この思い切った措置により、タバコ製品を使用する誰もが健康被害に関する警告を目にすることになる。こうした警告は、パッケージにともに表示される最新画像とともに、喫煙がもたらす健康被害について、リアルで衝撃的な注意を喚起することになるだろう」と述べる。同氏はさらに、「われわれは今後も、より多くの人が喫煙をやめ、また、若者がタバコを吸うことなく健康的な生活を送るのに役立つことは、何であれするつもりだ」と話した。
カナダでは、喫煙により毎年約4万8,000人が死亡しているとBennett氏は指摘する。今回の「Tobacco Products Appearance, Packaging and Labelling Regulations(タバコ製品の外観、パッケージ、表示に関する規制)」は、成人の禁煙を支援し、また若者や非喫煙者をニコチン中毒から守り、さらにはタバコ製品の魅力を減じるようとする、カナダ政府のたゆまぬ努力の成果の一つだ。また、この規制は、Canada’s Tobacco Strategy(カナダのタバコ戦略)と2035年までに喫煙率を5%未満にするという同戦略の目標を支援するものでもある。
規制は、2023年8月1日より段階的に施行される。小売業者は、2024年4月末までに新しい健康に関するメッセージを付したタバコ製品のパッケージを取り扱うことになる。次いで、2024年7月末までにキングサイズのタバコで健康被害警告の表示が義務化される予定だ。その後、2025年4月末までに、同様の警告が表示されたレギュラーサイズのタバコ、チッピングペーパー付きリトルシガー(葉巻の一種)、およびチューブ(手巻きタバコ用のさや紙)も販売されることになる。
AP通信は、メッセージには、「タバコの煙は子どもに有害」「吸うごとに毒も吸入」などの文言が使われる予定だと報じている。そのほか、健康被害に関わるメッセージの義務化には、1)タバコ製品のパッケージへのメッセージを強化・更新すること、2)健康被害のメッセージをあらゆるタバコ製品のパッケージに表示すること、3)メッセージを定期的に変えること、の要件を満たすことが求められる。
カナダ肺協会の会長兼CEOであるTerry Dean氏は、「本日発表されたタバコ製品の表示強化のための大胆な措置は、肺の健康に対するタバコ製品の危険性を喫煙者が確実に目にするようにするためのものだ。紙巻きタバコの1本1本に直接、警告を表示することには、タバコの魅力を減じる効果があり、特に若者に対する効果は高いだろう」と述べる。そして、「カナダは、タバコの使用を減らすために断固とした行動を取り続ける必要がある」と強調している。
▼外部リンク
・Canada to become first country in the world to require health warnings on individual cigarettes
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