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【製薬各団体が声明】政府に強い指導力を要求-改革の大枠方向性「歓迎」

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2023年06月09日 AM10:47

厚生労働省の「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」が報告書案を大筋で了承したことを受け、(PhRMA)・(EFPIA)の日米欧製薬3団体、日本ジェネリック製薬協会()は6日、コメントを発表した。

日薬連は、今後の改革論議で「政府の強いリーダーシップ」を求めた。日米欧製薬3団体は、薬価制度が抱える課題の「解決のための大枠」が示されたとの認識を示した。GE薬協は「要望が反映された」と評価した。日本医薬品卸売業連合会は7日午前段階で、コメントを出す予定はないとしている。

各コメントの要旨は次の通り。

【日薬連】報告書案においては、医薬品の安定供給の確保、創薬力の強化やドラッグ・ラグ、ドラッグ・ロスの解消、適切な医薬品流通の実現、医療上必要性が高い医薬品の薬価の下支え、革新的医薬品における新たな評価方法や特許期間中の薬価維持の仕組みの強化、過度な薬価差の偏在の是正など、極めて重要な対策の方向性が示された。

今後、中央社会保険医療協議会をはじめとする関係審議会等で議論が開始されると理解しているが、非常に多岐にわたり、また大きな改革を伴うこれらの施策を実行に移すには、政府の強いリーダーシップのもとで、短期的・中長期的な課題を整理した上で優先順位や時間軸を明確にして進めていく必要がある。

課題の解決に向けた施策を実効性のあるものとするためには、官民が共通のビジョンを持って一体となって作り上げていくことが重要で、医薬品業界も積極的に貢献していく。

【日米欧製薬3団体】、ドラッグ・ロスが足元で発生していることを指摘し、薬価制度の問題点として、イノベーションが適切に評価されていないこと、特許期間中の薬価が維持されていないこと、制度の予見性がないことなどを訴えてきた。

検討会においては、こうした課題が捉えられ、また解決のための大枠の方向性が示されたことに感謝の意を表する。

薬価制度については、広く革新的医薬品のイノベーションが適切に評価されることが重要であり、その評価対象が一部の医薬品や企業規模カテゴリーなどに限定されることのないようグローバルスタンダードに沿ったものであることが必要である。

これによって、投資コストを早期に回収し、次の研究開発に早期に再投資できる魅力ある市場を作り、それがイノベーション創出のスピードアップにつながると考える。

今後、報告書案をもとに、各課題についてより実装に向けた深い議論が開始されることと承知している。課題解決に向けた具体策が明確に示されることを強く希望する。

われわれは、今後の検討に積極的に参画すると共に国民の期待に応えていく。

【GE薬協】「医薬品の迅速・安定供給に向けた対策の方向性」をまとめていただき、国としての「ジェネリック医薬品産業の構造の見直し」に対する方向性が示された。今回の方向性は、われわれの要望も反映された内容でもあり、ジェネリック医薬品産業に対し深い理解をいただいたことに感謝する。

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