従来は抜去を防ぐために皮膚と直接縫合して固定
ニプロ株式会社は6月2日、一般医療機器としてカテーテル固定用パッチ(製品名:ノナート)の販売を開始した。同製品は、同社と関西医科大学外科学講座の海堀昌樹診療教授が共同開発したものだ。
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手術後、血液や膿、滲出液などが体内に溜まると感染症に罹患する恐れがあるため、ドレーンチューブを体内に留置し、それらを排出する必要がある。一般的に、ドレーンチューブは、抜去を防ぐために皮膚と直接縫合して固定(結さつ)するため、患者には痛みが伴う。また多くの医師は、結さつに慣れており、それ以外の方法で固定することに対し不安を覚えることも少なくない。
患者の皮膚にパッチを貼り、その上に絹糸でドレーンを固定
「ノナート」は、パッチ部分と絹糸部分から構成され、患者の皮膚にパッチを貼り、その上に絹糸でドレーンを固定するというハイブリッド方式のカテーテル固定用パッチである。縫合針を使用せずテープで固定するため、患者の痛み軽減につながるだけでなく、医療従事者の針刺し事故による感染リスク低減にも貢献する。また、一般的な縫合糸と同じ材質である絹糸を使用しているため、医師は従来の感覚で結さつすることが可能だ。
同社は、「患者さまの痛みを軽減したい、従来の医療従事者の感覚を大切にし、予期せぬ抜去を防ぎたいという医療従事者のニーズに応えるため、共同開発がスタートし、製品化に至った。今後も、ユーザー目線での医療機器開発に取り組み、患者さまの QOL(Quality of life)向上はもちろんのこと、より安全で、医療ニーズに応えられる製品の提供に努めたい」と、している。
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