厚生労働省医政局の城克文医薬産業振興・医療情報審議官は5月30日の参議院厚生労働委員会で、後発品の少量多品目生産構造について「見直しが必要」との考えを示した。田村麻美議員(国民民主党)に対する答弁。
2006年に発出された厚労省医政局長通知では、メーカーが薬価基準への収載を希望する後発品について、承認申請の際に標準製剤となった先発品が持つ規格を全て揃えて希望申請するよう求めている。
薬価基準収載後も規格を揃える必要性の有無について、城氏は、患者の病状に応じて用量を変更した際も規格が揃っていないとの理由でやむを得ず先発品に戻ることを防ぐなどの観点から、「基本的には収載以降も先発品と同様の規格の供給継続をメーカーに求めている」と説明。一方、メーカーから一部規格の供給停止に関する相談があった場合、製品の使用実態や医療上の必要性から妥当性を判断しているとした。
これに対して、田村氏は規格揃えについて「後発品産業の構造である少量多品目を製造している要因となっている」と指摘。見直しの必要性を訴えた。
後発品の少量多品目について、城氏は「後発品の使用促進と合わせて、共同開発や製造の委受託制度が利用されてきたことで、小規模メーカーや同一の製造ラインで少量多品目生産を行うメーカーが増加してきたことなどが要因で広まったので、こうした産業構造の見直しが必要」との考えを示した一方、規格揃えに関しては「医療上の必要性から先発品と同様の規格を求めている。産業構造上の問題の背景とは少し異なる」とも述べた。
城氏は、規格揃えにより必要量が少ない規格が求められ、製造技術上ではごく少量の生産が困難なために一定の廃棄が出て赤字品目が生まれているとの問題もあるとして、「このような課題については関係者の意見を聞きながら、制度の運用面の改善も含めて合理的に対応したい」とした。