同プログラムは、立命館大と教育スタートアップ企業atamaplus(アタマプラス)が協働して開発したもの。AO入試においてプログラム修了を出願要件としており、びわこ・くさつキャンパスを拠点とする経済学部、スポーツ健康科学部、食マネジメント学部の23年度入試から導入されたが、来年度入試から同キャンパスにある薬学部の6年制薬学科と4年制創薬科学科も対象となる。
薬学部への導入理由について、同大は「高度な医薬品や医療品を学ぶため、理科の基礎知識や科学的思考力が必要となる。プログラムで基礎学力を身につけ、入学後は関心の高いテーマでより高い次元で学べることが狙い」としている。
プログラムでは、AI教材「atama+」を活用して各学部が指定する教科の単元を学習し、単元ごとの習得認定試験に全て合格・修了することで、AO入試の出願資格が得られる。
受験生はパソコンやタブレットでプログラムに取り組み、AIによって個別最適化されたカリキュラムで指定単元を効果的に学習し、苦手な単元があった場合、AIが根本原因を突き止め、苦手単元を理解するための土台となる過去の単元に遡って理解度を高めることできる。
不合格となった場合も、期間中は繰り返して取り組むことができ、学習結果は入試の合否には影響しないという。
薬学部の指定単元は、医薬品の構造と性質を学ぶ上で基礎となることなどから化学とし、「化学基礎」と「化学」を指定科目として、学習所要時間は29~36時間に設定した。既にプログラム出願期間が始まっており、指定単元を学習した上で、10月からAO入試の出願を受け付け始める。
入学前にAI学習を体験することで、受験生ごとに異なる学習歴があっても確実に各単元を修得でき、大学側も単元レベルでの修得有無を確認することができるようになる。受験生にとっては、高校までの学習が入試のためだけでなく、大学入学後の学びにどうつながるか具体的にイメージを持ってもらうことが可能になるという。
23年度入試に導入した3学部では数学を指定単元とし、プログラムとAO入試を実施している。