厚生労働省は4月28日の経済財政諮問会議経済・財政一体改革推進委員会社会保障ワーキング・グループで、バイオシミラーについて「2029年度末までに数量ベースで80%以上置き換わった成分数が全体の成分数の60%以上」とする新目標値を示した。
政府は、2022年6月に閣議決定された骨太の方針で、バイオシミラーについて「医療費適正化効果を踏まえた目標値を22年度中に設定し、着実に推進する」との方針を打ち出しており、検討を進めてきた。
新目標値については、医療費適正効果額や数量など置き換えによる成果を測定できる様々な指標案が出されていたが、「定量的でできる限りシンプルな進捗状況の指標であると共に、医療現場等の関係者がそれぞれの取り組みに活用できる指標とすることが望ましく、まずは数量ベースの目標が適当」とした。
また、「医療費適正化計画(24~29年度)といった他の政策と連動できることが適切であること」「現時点で保険収載されているバイオシミラーはわずか16成分であり、市場規模が十分に大きくなく、新たに保険収載されたバイオシミラーの市場規模によっては全体の置き換え率が大きく低下する等の影響を受け得ること」などを踏まえ、新目標値を「29年度末までにバイオシミラーに80%以上置き換わった成分数が全体の成分数の60%以上とする」とした。
厚労省の調査によると、21年度にバイオシミラーに80%以上置き換わった成分数はフィルグラスチムなど3成分と約2割にとどまる。
品目によって置き換え状況に違いが大きく、20年度調査で全成分を対象とした数量シェアは29.5%となっている。
今後、成分ごとの使用促進策については、調査事業で実態調査を行い、その結果を踏まえ、具体化すると共に実施に向けた対応を進める方針。