厚生労働省は24日の規制改革推進会議医療・介護・感染症対策ワーキンググループ(WG)で、「調剤業務の一部外部委託における医療安全確保と適正実施のためのガイドライン(GL)」の暫定版を公表した。調剤の責任は委託薬局と委託の実施を判断した薬剤師にあるとし、委託・受託薬局共に業務手順書を作成することなどを求めた。
暫定版の内容を踏まえ、今年度は実際の薬局で調剤機器等を用いて、委託の検証を行う予定。
この日のWGでは、調剤業務の一部外部委託に関するフォローアップが議題となった。
厚労省の「薬局薬剤師の業務および薬局の機能に関するWG取りまとめ」では、一包化を対象に同一の三次医療圏内の薬局に外部委託する方針を示しているが、安全性の確保などを検証することが課題となっていた。
そのため、入江徹美熊本大学特任教授を研究代表者とする厚生労働科学研究班が、昨年度に調剤機器メーカーや薬局薬剤師へのヒアリング等を実施した上で、同GLの暫定版を作成した。
GLは、▽委託を行う際の基本的考え方▽委託薬局に求められること▽受託薬局に求められること――で構成した。
基本的考え方として、委託は患者への安全な医療の提供が確保されることが前提とし、予め患者に説明を行うと共に同意を得る必要があるとした。調剤の責任は、処方箋を受け付けた委託薬局と委託の実施を判断した薬剤師にあるとした。
委託薬局の薬剤師が処方箋ごとに委託を検討し、可能と判断した場合に実施するほか、委託を行う薬局は委託先の体制を確認し、適切に選定した上で契約を結ぶよう求めた。
委託薬局に求められることとして、委託の実施に必要な体制等(契約に関する留意点、業務手順書の作成など)を規定するほか、記録の保管や監査を含め、委託を行う際の手順や留意点も規定することとした。また、受託薬局から薬剤を直送する場合における監査方法についても検証が必要とした。
受託薬局には、調剤機器やオーダーの受領体制、従事者の管理体制、受託業務手順書の整備、責任者の指定といった体制を規定すること、記録の保管や配送や留意点など受託業務の実施手順も規定するよう求めている。