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【薬事分科会】経口中絶薬の承認了承-外来は院内待機が要件

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2023年04月24日 AM10:22

薬事・食品衛生審議会薬事分科会は21日、ラインファーマの経口人工妊娠中絶薬「メフィーゴパック」(一般名:)の製造販売承認を了承した。パブリックコメントなどの意見を踏まえ、適切な使用体制が確立されるまでの当分の間、2剤目のミソプロストール服用から中絶が完遂するまでは入院可能な有床施設での入院、外来で投与する場合には院内待機を必須とし、服薬を管理する。流通・使用管理では、製造販売業者のラインファーマと各医療機関から毎月それぞれ販売数量・使用数量を都道府県医師会に報告させるよう手順書を定めて管理することなどを求める。厚生労働省は今後、薬事承認の手続きを進める予定だ。

同剤は、妊娠継続に必要な黄体ホルモンの働きを抑えて妊娠の維持を阻害する抗プロゲステロン作用を持つミフェプリストン、子宮収縮作用を持つミソプロストールのパック製品で国内初の中絶薬。効能・効果は、子宮内妊娠が確認された妊娠63日以下の人に対する人工妊娠中絶となる。

1剤目としてミフェプリストン、2剤目としてミソプロストールを妊娠成立後一定の時期に適切な間隔で投与することで妊娠の継続を中断し、人工妊娠中絶に至らせる。

1月の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会では承認しても差し支えないと判断されたが、製造販売後には厳格な管理が必要として管理方法についてパブコメを募り、薬事分科会で承認の可否を再審議した。その結果、緊急対応体制や流通・使用管理で十分な対応を取ることを前提に承認が了承された。

具体的には、適切な使用体制のあり方が確立されるまでの当分の間、入院可能な有床施設で母体保護法指定医師として都道府県医師会に指定を受けた医師の投与に限定し、投与を受けた者は入院してもらうか、外来の場合も院内待機を必須として服薬を管理する。

市販後には日本産婦人科医会の協力を得て、十分な調査研究を実施し、国内で安全に中絶薬を使用するために緊急時の連携体制がどうあるべきか評価し、調査結果を薬食審で評価する。適切な使用体制のあり方が確立できたと判断すれば、入院や外来での院内待機必須とした制限を緩和する可能性もある。

流通・使用管理についてはパブコメ案で小野薬品の「プレグランディン腟坐剤」と同等の厳格さを持って管理するとしていたが、具体的な対応方法を規定した。

ラインファーマには、医療機関からの販売・使用数量の都道府県医師会への報告を手順書で管理するよう求め、承認条件における「必要な措置」として規定する。都道府県医師会は双方から報告内容の整合性を確認するなどの確認を求める。

また、情報提供の充実を図るため、指定医師向けの資材や適正使用ガイドを作成すると共に、ホームページを通じて国民向けに適切な情報提供を行う。今後、添付文書や通知の整備を行い、薬事承認の手続きを進める方針。

 

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