2021年漢方製剤等の生産金額が前年比2.3%減の2086億4400万円となったことが、21年の薬事工業生産動態統計年報をもとに日本漢方生薬製剤協会が公表した報告書で分かった。医療用漢方製剤が減少した影響で過去最高となった前年から減少に転じた。医薬品総生産金額に占める漢方製剤等の割合は2.3%と前年から変化がなかった。
漢方製剤等の生産金額は20年まで4年連続で増加しており、5年ぶりの減少となった。前年は二桁の伸びを示した医療用漢方製剤は3.2%減の1567億5600万円となった一方、一般用漢方製剤は0.4%増の518億8800万円の微増となり、8年連続で拡大した。生産金額の構成比は医療用医薬品が75.1%、一般用医薬品が24.9%となった。
薬効分類別で見ると、漢方製剤は3.1%減の1895億7200万円で、そのうち医療用医薬品が3.6%減の1491億1400万円、一般用医薬品・配置用家庭薬は1.6%減の404億5800万円だった。
生薬は4.8%増の48億8100万円だった。そのうち医療用医薬品は12.5%減の28億8300万円、一般用医薬品・配置用家庭薬は46.6%増の19億9800万円と大幅に伸びた。
医療用医薬品全体における医療用漢方製剤は1.8%と変化がなく、要指導医薬品・一般用医薬品全体における一般用漢方製剤は5.4%と前年から0.2ポイント増加した。
特掲医薬品・漢方製剤の生産・輸入金額上位品目では「大建中湯」が9.3%減の109億3545万円と唯一100億円を突破。「補中益気湯」が7.9%減の95億7279万円、「抑肝散」が3.4%減の86億2050万円、「六君子湯」が17.6%減の69億2293万円と上位4品目は揃って減少した。
それ以降は「五苓散」が16.1%増の69億2293万円、「加味逍遙散」が11.0%増の67億7741万円、「芍薬甘草湯」が4%増の62億6558万円、「柴苓湯」が10.1%増の53億0131万円となった。