上田薬剤師会は、会員薬局同士で医療用医薬品の在庫状況確認や融通ができる「医薬品情報共有連携事業」を開始した。50薬局が参加し、同薬剤師会ホームページに掲載された在庫状況に関するリストを閲覧し、電話などによる確認の手間を削減する。経過措置期間の12月まで3カ月ごとにリストを更新する予定だ。
国は医療用医薬品の安定供給問題が続く現状を踏まえ、地域支援体制加算について、保険薬局が地域で協力しながら医薬品の安定供給に貢献する取り組みを行った場合に評価する特例措置を今月1日~12月31日にかけて適用している。
特例措置の実施を踏まえ、上田薬剤師会は医薬品情報共有連携事業を開始した。
以前から会員内で医薬品の融通は行われていたが、電話を受けて確認するなどの手間が見られたことから、事業開始により効率化を狙う。
会員薬局のうち、事業に賛同した50薬局が医療用備蓄医薬品を記したリストを提出しており、これら薬局には参加証明書、リスト閲覧に必要なパスワードが発行され、薬剤師会のホームページでリストを閲覧できる。リストでは、検索画面に医薬品名を入力することで、検索結果が表示される仕組みとしている。
特例措置が適用される12月まで、医薬品リストの在庫状況は3カ月ごとに更新される。
飯島裕也薬局・学術・研修部担当理事は、参加薬局数について、「理想としては全会員に参加してほしいが、12月までにゆっくりでも増加してほしい」と話す。リストについては「3カ月ごとの更新なので、現在の在庫状況を反映した生データでないのが悩ましい。事業を続けて更新の頻度を考えたい」との考えを示す。
時限的・特例的に適用される地域支援体制加算の引き上げは、▽同加算に関する届出を行っている保険薬局である▽後発品調剤体制加算に関する届出を行っている▽地域の保険医療機関・同一グループではない保険薬局に対する在庫状況の共有、医薬品融通などを行っている▽融通に関する取り組みを実施していることを薬局の見やすい場所に掲示している――との追加の施設基準を満たす場合に適用される。