従来の点滴静注製剤と同一有効成分、空腹時に1日1回経口投与
田辺三菱製薬株式会社は4月17日、「ラジカット(R)内用懸濁液2.1%」(一般名:エダラボン)について、筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis:ALS)を適応症として発売したことを発表した。
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ALSは、運動神経が選択的に変性・脱落し、四肢、顔、呼吸筋等の全身の筋力低下と筋萎縮が進行的に起こる原因不明の神経変性疾患。人種や民族的背景に関連なく、発病率は10万人に2人程度とされている。
ラジカット内用懸濁液は、ALS治療薬であるエダラボン点滴静注製剤(日本製品名:「ラジカット注30mg」および「ラジカット点滴静注バッグ30mg」)と同一有効成分を含む経口剤(内用懸濁液)。通常、成人に1回5mL(エダラボンとして105mg)を空腹時に1日1回経口投与する。また通常、同剤投与期と休薬期を組み合わせた28日間を1クールとし、これを繰り返す。第1クールは14日間連日投与する投与期の後14日間休薬し、第2クール以降は14日間のうち10日間投与する投与期の後14日間休薬する。
注射の痛み/投与のための通院・入院など、患者の治療負担軽減を目指して開発
ラジカット内用懸濁液2.1%の承認取得のために実施された臨床試験のうち、主要な試験は2つ。エダラボン内用懸濁液2.1%とエダラボン注射剤の薬物動態を比較した第1相試験「MT-1186-J03試験」と、エダラボン内用懸濁液2.1%の長期(48週)の安全性、忍容性を主要評価項目として評価した国際多施設共同非盲検第3相試験「MT-1186-A01試験」だ。
これまで、日本におけるエダラボンの投与経路は点滴静注に限られていた。田辺三菱製薬グループは、注射による痛みや投与のための通院・入院など、ALS患者の治療にかかる負担を軽減するため、経口投与できる内用懸濁液を新たなALS治療の選択肢として開発。2022年5月12日にRADICAVA ORS(R)(米国製品名)が承認された米国では、これまでの注射による負担が軽減されたこと、経管投与できる利点を評価されているという。
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