特許期間中の薬価については、新薬創出等加算の適用基準の大幅な変更と毎年薬価改定の導入で革新的医薬品の約半数が毎年の薬価引き下げの対象となり、同加算の対象であっても、市場拡大再算定によって革新的医薬品の価格が大幅かつ繰り返し引き下げられると、強い不満を表明。
そのため日本は、他の先進国とは対照的にビジネス上の不確実性に直面しているとして、「特許期間中の革新的医薬品を市場実勢価格による改定の対象から除外し、また過大な薬価差や薬価差の偏在が生じない制度への移行に向けた議論を継続すると共に、有識者検討会が提起する現状の課題を踏まえ、市場拡大再算定と類似薬への適用(共連れ)ルールの改善」を提言した。
■IFPMA会長らも要望
国際製薬団体連合会(IFPMA)のジャン・クリストフ・テリエ会長(UCB会長兼CEO)らグローバルファーマトップからなる「バイオ医薬品企業CEOラウンドテーブル(BCR)」は14日、イノベーションエコシステムの強化・支援を求める要望書を岸田首相に提出したと発表した。エコシステムの強化に向け薬価制度改革などの取り組みを推進するため、官邸主導による官民の戦略的対話の場を提案した。
BCRメンバーは、岸田首相に対し「早期の研究開発への取り組み、規制調和、薬価制度改革を進めるよう求める」と伝えた。厚生労働省の有識者検討会の報告書が公表され次第、「直ちに対話を始め、2023年末をメドに薬価制度改革を含めた結論を出していただくことを提案する」とした。
BCRメンバーは13、14の両日、来日して東京会合を開催し、持続可能なイノベーションエコシステムの保護や薬剤耐性(AMR)対策の推進、医薬品の公平なアクセスからなる「東京声明」をまとめた。
同日、都内で開いた記者会見でIFPMAの眞鍋淳副会長(第一三共CEO)は、岸田首相をはじめ「(対話への)理解は高まった」と手応えを語った。IFPMAのテリエ会長は、政府と共に「提案のフォローアップ、戦略的対話を続けていくことは解決をもたらす」と話した。