調査は、昨年4月の診療報酬改定で導入されたリフィル処方箋について改定に係る影響等を検証したもの。病院・診療所、薬局、患者に調査を実施した。
昨年4~6月にリフィル処方箋を受付実績のある薬局、リフィル処方箋受付実績がない薬局の合計500施設を対象とした調査では、リフィル処方箋の受付経験は、かかりつけ薬剤師指導料・かかりつけ薬剤師包括管理料の施設基準の届け出がある薬局では「受け付けたことがある」が64.4%だった。届け出がない薬局では「受け付けたことがある」が47.5%となった。
リフィル処方箋の患者フォローアップ(来局時除く)で受診勧奨をした経験は、「ある」が4.8%と低く、「ない」が71.8%、「無回答」が23.4%となった。
1枚のリフィル処方箋の処方の途中で薬局が変わった経験は「ある」が20.2%、「ない」が54.8%、「不明」が3.2%となった。
リフィル処方箋の患者に関して、医師に服薬指導提供書(トレーシングレポート)を提供した経験については「ある」が4.0%、「ない」が92.7%となった。
一方、病院・診療所調査でどのような患者にリフィル処方箋を発行しているかを聞いたところ、病院・診療所共に「自施設にかかりつけの患者」が9割を超え、次いで「自施設と連携する薬局にかかりつけ薬剤師がいる患者」の回答割合が多かったが、1割にも満たなかった。
リフィル処方箋を「発行したことがある」と回答した施設のうち、リフィル処方箋に関する薬局からのトレーシングレポートの有無について、病院では「あった」が11.1%、「なかった」が83.3%だった。診療所では「あった」が23.0%、「なかった」が74.6%だった。
リフィル処方に関するトレーシングレポートで提供してほしい情報については、病院では「患者の服薬状況」が最も多く66.7%だった。
診療所では「患者の服薬状況」が最も多く21.4%、次いで「患者の状態(バイタル・体重・食欲・浮腫の有無・便秘の有無等)」が17.9%だった。
患者を対象にリフィル処方箋を利用することについて、メリットになると感じるものを聞いたところでは、「通院にかかる時間的負担(予約・移動・待ち時間)を減らせる」が最も多く、次いで「薬が欲しいだけという患者の状況に合っている」との回答が多かった。