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COVID-19肺炎、AI搭載・持ち運び可能な超音波機器で診断が可能と実証-順大

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2023年03月22日 AM10:22

現状、エコーでの正しいCOVID-19肺炎診断は専門医でないと困難

順天堂大学は3月20日、人工知能を搭載した持ち運び可能な超音波()機器を使うことでCT検査と同等の精度で新型コロナウイルス肺炎の診断が可能であることを実証したと発表した。この研究は、同大大学院医学研究科循環器内科学の鍵山暢之准教授、南野徹教授、代田浩之特任教授、呼吸器内科学の髙橋和久教授らの研究グループによるもの。研究成果は、「PLOS ONE」に掲載されている。


画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)

)は、2019年に中国で発生し、その後、世界的に大流行している。この感染力の強いウイルスは、重症の肺炎を引き起こし、2022年3月時点で600万人の死者を出している。COVID-19の大流行により、多くの国で医療資源が逼迫し、適切な検査や治療を受けられない事態が発生した。肺炎の有無を確認するためには、診療放射線技師によるCT検査が必要だが、在宅医療や酸素ステーションではCT検査ができず、重症化する患者が多くいる。超音波(エコー)検査でも肺炎の診断は可能だが、診断は専門医師でなければできないため十分に普及していない。

近年、持ち運び可能な小型超音波機器の発展に伴い、人工知能が超音波検査の画像を解読し、専門医師でなくても肺炎を診断することができる可能性が出てきた。そこで、研究グループは、人工知能を搭載した持ち運び可能な超音波機器を使用することにより、専門医師でなくてもCOVID-19肺炎を正しく診断することが可能になると考え、その有効性を検証した。

AI搭載ポータブルエコー機器、感度92.3%・特異度100%で非専門医も高精度で診断可能

研究グループは、人工知能を搭載した持ち運び可能な超音波機器の診断能力を調査するため、肺炎患者41人、健常者15人の計56人に対し、肺炎の検査を実施。仰向けになれなかった患者を除いた55人の超音波検査とCT検査の結果を比べたところ、超音波検査では55人中52人で肺炎の有無を診断。肺炎の見落としは3人だった。

超音波検査の精度は感度92.3%、特異度100%だった。同研究成果から、人工知能を搭載した持ち運び可能な超音波機器を用いると、専門外の医師の検査でも、COVID-19肺炎を高い精度で診断できることが判明したとしている。

パンデミック時の重症患者選定、早期治療に役立つ可能性

今後も、しばらくの間COVID-19の流行は繰り返されることが予想される。人工知能を搭載した持ち運び可能な超音波機器を用いれば、COVID-19で問題となる肺炎について、CT検査をしなくても診断することが可能となり、パンデミック時の重症患者の選定、高度医療機関への搬送、適切な早期治療に役立つことが考えられる、と研究グループは述べている。

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