米FDAが片頭痛に対する新たな点鼻薬を承認
片頭痛患者は、より即効性があり、また、心筋梗塞や脳卒中のリスクがある人にとってはより安全な新しい治療選択肢を得ることになりそうだ。米食品医薬品局(FDA)は3月9日、重度の片頭痛に対する治療薬として、ファイザー社製の点鼻スプレーであるザベジパント(商品名Zavzpret)を承認した。
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ファイザー社のグローバルバイオ医薬品事業部の最高商務責任者兼社長であるAngela Hwang氏は、「ZavzpretのFDA承認は、痛みからの解放を必要とし、経口薬に代わる選択肢を望む片頭痛患者にとって、大きなブレークスルーとなる」と同社のニュースリリースで述べた。また、「ファイザー社は、片頭痛に悩まされている人々が、痛みを忘れて日常生活に戻るのを助けるための新たな治療薬の開発に熱意を持って取り組んでいる。Zavzpretはそのようなファイザー社の献身を明確に示すものだ」と強調する。
なおファイザー社は、Zavzpretが7月までに薬局で販売されるようになると予想しているが、価格については公開していない。
米デューク大学医療センター神経科頭痛部門のチーフであるTimothy Collins氏は、「われわれはこの薬剤が出てくるのを長い間、待っていた。片頭痛をコントロールする上で本当に有用な治療法が追加された」と喜びを表す。
FDAの承認は、「The Lancet Neurology」3月号に掲載された臨床試験の結果に基づいている。同試験では、Zavzpretを使用した人ではプラセボを使用した人に比べて、使用から2時間後の時点で痛みがなくなった人の割合が高いことが示された(24%対15%)。また、使用から2時間後の時点で最も煩わしい症状がなくなった人の割合についても、Zavzpretを使用した人の方が高かった(40%対31%)。Zavzpretの副作用として、約20%の人に味覚の変化が生じた。そのほか、鼻の不快感と吐き気なども報告された。
ニューヨークタイムズ紙によると、現時点で利用可能な他の点鼻薬に、セロトニン受容体を標的とするトリプタン系製剤があるが、心筋梗塞や脳卒中のリスクがある人への使用は禁じられている。
一方、Zavzpretは、タンパク質の一種であるカルシトニン遺伝子関連ペプチドの放出を阻害する作用を持つ。過去の研究では、片頭痛発作が生じている間には、これらのタンパク質が増加することが示されているとニューヨークタイムズ紙は報じている。米メイヨークリニック神経学教授のRashmi Halker Singh氏は、「この発見は、片頭痛発作が生じているときに何が起こっているのかについて理解を深める上で本当に役に立った、画期的な発見だったと思う」と同紙に語っている。また、点鼻スプレーは、錠剤よりも早く体内に吸収されるというメリットも有している。
Halker Singh氏は、「Zavzpretが、より多くの片頭痛患者の助けとなることを願っている。それが、最も重要なことだ」と話している。
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・Novel Drug Approvals for 2023
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