この日の6者懇では、薬学実務実習の枠組みを議論した。薬学実務実習に関する連絡会議が策定したガイドラインでは、病院と薬局の実習期間は連続性のある22週間とし、各施設11週間ずつを原則としているが、22週間を下回らないことを条件に、大学が主導して病院・薬局が連携してより学習成果が高い期間等を検討し、実習を進めることも可能としている。
日薬の田尻泰典副会長は、「一部大学が病院の期間を長く、薬局の期間を短くするなど独自の実習方式を主張してくることがあった」として、文部科学省に今後の病院・薬局における実習期間に関する見解を示すよう求めた。
これに対して文科省は、連絡会議が今秋に決定予定のガイドライン見直し案に言及し、「より効果的な実習方法、枠組みについて提案があれば検討し、地区内で合意を得られた場合は薬学教育協議会病院・薬局実務実習中央調整機構委員会で対応する」とした。
山本信夫会長は、「11週プラス11週にこだわっているわけではない。より良い方向があるなら、きちんと議論した上で全国の薬科大・薬学部でやるべき」との考えを示し、「質保証の観点から一部大学だけ週がばらつくのではなく、きちんと全国統一されていなければいけない」と訴えた。
一方、京都大学の竹本佳司薬学部長は「大学によってポリシーが異なるので、金太郎飴のように均一がベストかは疑問」とした。病院・薬局の各実習期間については、「学生の要望に近い形に持っていきたいので、11週間プラス11週間ありきで固定化するのは避けてほしい」と述べ、関係者間で具体的な協議の場を設けるよう求めた。
日本病院薬剤師会の奥田真弘副会長は、大学独自の方式による実習について「実態を把握した上で、成果を上げているのか振り返って評価する必要がある。学生主体で評価するなどして、どのような期間設定がベストか協議すべき」との考えを示した。