厚生労働省は、9日の健康・医療・介護情報利活用検討会医療情報ネットワークの基盤に関するワーキンググループに、医療機関や薬局、患者が全国的に電子カルテ情報を閲覧可能とするための医療情報ネットワークの基盤のあり方や技術的要件に関する取りまとめ案を示し、大筋で了承された。薬局はオンライン資格確認等システムを通じて、電子カルテ情報のうち「傷病名」「アレルギー情報」などの6情報の閲覧が可能になる見通し。今後、座長一任で取りまとめを行い、今月中にも公表する。
国は全国医療情報プラットフォームの創設に向け、オン資や電子処方箋の推進、電子カルテ情報の標準化を進めている。全国的に電子カルテ情報を閲覧可能とすることで、医療機関等同士などで入退院時や専門医・かかりつけ医等との情報共有・連携がより効率的・効果的に行われ、質の高い切れ目のない診療やケア、救急・災害など緊急時における利用等を可能とするのが狙いとしている。
取りまとめ案では、全国的に電子カルテ情報を閲覧可能とするために、HL7FHIRの規格を用いてデータ交換を行い、電子カルテ情報のうち、「傷病名」「アレルギー情報」「感染症情報」「薬剤禁忌情報」「救急時に有用な検査情報、生活習慣病関連の検査情報」「処方情報」の6情報から標準化を進めるとした。
医療機関は6情報を参考に「診療情報提供書」や「退院時サマリー」の2文書を作成し、電子カルテ情報交換サービス(仮称)を経由することで医療機関間で共有が可能になる。電子カルテ情報交換サービスからオン資を経由することで、全国の医療機関は患者の6情報を閲覧でき、マイナポータルを通じて患者自身も閲覧できる仕組みの実装を目指す。
2文書6情報の登録主体は医療機関となるが、薬局は電子カルテ情報交換サービスを経由した2文書についてHL7FHIR規格に対応していれば閲覧できるほか、オン資を経由した6情報についても閲覧が可能となる見通し。