厚生労働省は、2023年度薬価改定で急激な原材料費の高騰、安定供給問題に対応するため、1100品目を対象に不採算品再算定が臨時的・特例的に適用されることを踏まえ、各団体・企業にこれら医薬品を適正な価格で流通するよう要請する事務連絡を3日に発出した。
23年度の中間年改定では2022年9月に実施した薬価収載医薬品を供給する業者に対し、物価高騰等の影響による不採算品目の状況に関する調査を実施。▽物価高騰や為替変動の影響等により現在不採算となっている品目▽安定供給の確保の必要性が高い安定確保医薬品(カテゴリーA~C)、基礎的医薬品、学会要望等で特に医療上の必要性が高い品目▽同一成分・規格内で1品目が高いシェアを占めているなど、特に安定供給に支障を来しやすい品目――の要件全てに該当した品目には臨時的・特例的に不採算品再算定を適用し、薬価の引き上げを行うこととなった。
厚労省は、事務連絡で「不採算品再算定の適用となった医薬品は安定供給を確保する必要が特に高いと考えられる品目として製造販売業者から報告されたものであり、安定供給を継続させていくために適正な価格で流通することが望まれる」とし、関連団体に呼びかけた。