今回告示された薬価基準の収載医薬品は、内用薬が7443品目、注射薬が3554品目、外用薬が2075品目、歯科用薬剤は26品目の計1万3098品目。薬価引き上げ、薬価維持、薬価引き下げの内訳は示していないが、昨年末に23年度薬価改定骨子案で公表した内容のイメージとしている。
適用する算定ルールは、▽基礎的医薬品▽最低薬価▽新薬創出等加算(加算のみ)▽後発品等の価格帯集約▽既収載品の外国平均価格調整――の五つ。2022年9月に実施した物価高騰等の影響による不採算品の状況に関する調査結果に基づき、不採算となった328成分1081品目(告示数:品目数では1100品目)を対象に、臨時・特例的な不採算品再算定を適用し、薬価を引き上げる。
主な品目には、解熱鎮痛消炎剤「アセトアミノフェン」や外皮用殺菌消毒剤「イソプロパノール」、抗菌薬「セファゾリンナトリウム」が含まれる。既収載品の外国平均価格調整の該当品目はなかった。
また、新薬創出等加算品目370成分600品目が告示となり、233品目が改定対象となった。そのうち、国内試験の実施数や過去5年間の新薬収載実績等をポイント化した企業要件で、企業区分が落ちたことにより加算額が下がった143品目について加算額を臨時・特例的に増額し、これまでの薬価と遜色ない水準(改定前薬価の95%)とする対応を行う。
新薬創出等加算対象品目を持つ企業で見ると、ノバルティスファーマが25成分44品目、サノフィが19成分26品目、ヤンセンファーマが19成分28品目、武田薬品が19成分33品目、ファイザーが15成分24品目、MSDが13成分21品目、中外製薬が13成分21品目と外資系企業が上位を占めた。
基礎的医薬品の品目数は、328成分1094品目と22年度改定の323成分1004品目から増加した。安定確保医薬品にかかる基礎的医薬品は10成分60品目となり、そのうち「先発品がG1/G2品目であるもの」が8成分58品目を占めた。後発品の価格帯は、1価格帯が769成分、2価格帯が220成分、3価格帯が89成分、4価格帯が25成分、5価格帯が3成分となった。
一方、2022年9月の薬価調査結果も示され、後発品数量シェアは79.0%と21年薬価調査と横ばい、後発品への置き換えによる医療費適正効果額は1兆7081億円、バイオ後続品への置き換えで776億円の削減効果があった。バイオ先行品に占めるバイオ後続品の金額割合は29.6%となった。