日本薬剤師会の山本信夫会長は、2月22日に開かれた厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(ADB)で、コロナの5類移行に伴い想定される課題を提示。感染疑いのある患者の来局機会増加、薬局におけるコロナ治療薬の備蓄負担増などに懸念を表明した。
新型コロナウイルス感染症の位置づけは、5月8日に現在の2類相当から季節性インフルエンザ等と同等の5類に引き下げる予定となっている。この日のADBでは、日薬、日本歯科医師会、日本看護協会が、5類への移行に伴って想定される現場の課題を示した。
日薬は薬局における課題として、感染疑いのある患者を含めて来局機会が増加すると指摘。高齢者やハイリスク患者の感染リスクも増加するとし、小規模薬局の場合、来局者の導線確保・分離が困難になるとした。また、薬局では複数品目のコロナ治療薬の調剤に対応しているが、国の所有から一般流通品にシフトすることで発生が予想される事態を懸念した。
具体的には、患者の一部費用負担が発生すること、薬局の備蓄負担として廃棄リスクが増加する可能性があるとし、現在は認められていない国所有品の薬局間融通も認めるよう求めた。
薬局が行っている医療用検査キット、OTC検査キットの販売については、引き続き薬局を積極的に活用すべきとした。