厚生労働省は、治験実施計画書に規定する治験薬(被験薬・対照薬)ではない治験使用薬(併用薬、レスキュー薬、前投与薬等)については、実施医療機関が在庫として保管する医薬品を使用しても差し支えないとの見解を示した。実施医療機関が治験使用薬の院外処方を希望し、治験依頼者が品質上や管理上で懸念がないと判断すれば、薬局の在庫から治験使用薬を交付することもできるようになった。
厚労省は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)でGCP省令に関する相談事例の蓄積に伴い、治験の準備または実施についての一般的な留意事項を質疑応答集としてまとめた。
治験実施計画書に規定された被験薬・対照薬ではない治験使用薬の併用薬、レスキュー薬、前投与薬等については、実施医療機関が在庫として保管する医薬品を使用できるとの見解を示した。
ただ、治験依頼者が品質上・管理上問題ないと判断しており、実施医療機関の合意のもと治験使用薬の適切な管理が保証されている必要があることに留意すること、被験薬・対照薬については既に市販されている医薬品であっても、治験依頼者が治験薬として交付する必要があるとした。
治験使用薬については、実施医療機関が院外処方を希望し、治験依頼者が院外処方を行うことが品質上・管理上の懸念がないと判断し、院外処方することを了承している場合には、「実施医療機関が処方箋を発行し、薬局の在庫から交付しても良い」とした。
実施医療機関は薬局との間で契約を締結する必要はないが、院外処方する場合の手順を定めると共に、治験薬以外の治験使用薬が薬局から被験者に対して確実に交付されていることを確認することを求めた。
この場合、薬剤費用は、実施医療機関が院外処方する場合であっても、治験依頼者が負担することが原則になるが、薬剤費用を被験者が支払うことについて説明文書に記載した上で、被験者に文書で適切に説明し、文書で同意が得られていれば、この限りではないとしている。
治験薬を実施医療機関から被験者に配送する場合、被験者本人が運送会社から直接受け取ることができる被験者の勤務先、かかりつけ医療機関、近隣薬局、その他本人が指定した場所などを送付先として指定することも「可」とした。