厚生科学審議会感染症部会は1月27日、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけを現在の「新型コロナウイルス等感染症」から5類に移行する方針を決めた。現行の私権制限を緩和する一方、国民生活への影響の大きさを考慮して3カ月程度の移行期間を設けるほか、重症化リスクの高い人を守るための対策は継続すべきとした。
この日の部会で厚労省は、感染症法上のコロナの位置づけに関する考えを提示。コロナは同法に基づく私権制限に見合った「国民の生命・健康に重大な影響を与える恐れ」がある状態とは考えられないとして、季節性インフルエンザ等と同等の5類感染症に位置づけるべきとした。
5類への移行により、行政が様々な要請や関与をしていく感染対策から、季節性インフルエンザ等への対応と同様、個人の選択を尊重することを基本とする考え方に転換する。一方、国民の生命・健康を守りながら移行することが重要として留意点も明記した。
移行による各種対策の転換は国民生活、各企業、医療機関の取り組み、地方行政に大きな影響を及ぼすとして、今後3カ月程度の準備期間を設けた上で移行すべきとした。
医療提供体制に関しては、季節性インフルエンザにおける診療体制を念頭に構築を目指すとした。移行後の影響を緩和するための期間を設けるが、移行してもコロナの特徴が変わるわけではないとし、今後も感染拡大が生じることを想定して高齢者、基礎疾患患者など重症化リスクの高い人を守ることを念頭に、必要な感染対策を実施していくべきとした。
患者対応として、外来・入院の自己負担分の公費支援についても段階的に移行すべきとした。