日本では統合失調症治療薬として展開中
大塚製薬株式会社は1月30日、抗精神病薬レキサルティ(R)(一般名:ブレクスピプラゾール)について、うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合に限る)を効能効果として、国内で申請を行ったと発表した。
うつ病(大うつ病性障害)は、国内では生涯に約17人に1人が経験するものとされている。大うつ病性障害の治療には一般的に抗うつ薬が処方されるが、既存の抗うつ薬ではうつ病のさまざまな症状が十分に改善されない患者もおり、さらなる薬物治療の選択肢が求められている。
ブレクスピプラゾールは、大塚製薬が創製した独自の薬理作用を有する化合物。ルンドベック社と共同開発している。2015年、米国で「成人の大うつ病補助療法」および「成人の統合失調症」の2つの効能で承認され、現在、統合失調症治療薬として日本を含めた約60の国・地域で展開している。
既存の抗うつ薬治療で反応不十分の成人患者740人対象P3試験、上乗せ治療として改善効果確認
レキサルティの国内フェーズ3試験では、既存の抗うつ薬(SSRIまたはSNRI)治療で反応不十分であった20~64歳の成人の大うつ病性障害患者740人を対象とした。抗うつ薬への上乗せ治療としてブレクスピプラゾール(1mgまたは2mgを1日1回)を6週間投与し、有効性と安全性を評価。その結果、ブレクスピプラゾール1mgおよび2mgはプラセボと比較し、いずれも主要評価項目である投与6週後のMADRS(Montgomery-Asberg Depression Rating Scale)合計スコアの平均変化量で統計的に有意な改善効果を示した。同試験においてブレクスピプラゾールの忍容性は全般的に良好であり、新たな安全性の懸念は認められなかったとしている。
同社は、ブレクスピプラゾールについて、既存の抗うつ薬ではうつ病の症状が十分に改善されない患者に対する新たな治療選択肢となることが期待される、と述べている。
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・大塚製薬株式会社 プレスリリース