減量で大事なのは食事を取るタイミングではなく頻度と量
減量をする上で最も重要なのは、いつ食べるかではなく、食べる頻度と量であることが、約550人の成人の食生活を6カ月にわたって調査した新たな研究から明らかになった。米ジョンズ・ホプキンス大学医学部のWendy Bennett氏らによるこの研究は、「Journal of the American Heart Association」に1月18日掲載された。
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米国心臓協会(AHA)によると、米国では10人中4人が肥満だという。Bennett氏らの研究は、体重を管理する上で、食べる頻度や量の相対的な重要性についての洞察を得ることを目的としたもの。対象は、米メリーランド州およびペンシルベニア州の3つのヘルスケアシステムのいずれかに電子健康記録(EHR)があり、試験登録(2019年2〜7月)前の2年間に身長と体重の測定値が1件以上記録されている18歳以上の成人のうち、スマートフォンへのアプリ(Daily24)のダウンロードに同意した547人。対象者の平均年齢は49.3歳で、女性が79.5%、白人が79.9%を占め、試験開始時の平均BMIは30.3であった。対象者はアプリを使って、食事を取る時間と量、入眠と起床の時間を6カ月間、記録した。研究グループは、各対象者の登録前(最長10年)と登録後(10カ月まで)の身長と体重の測定値をEHRから入手し、体重の変化を中央値で6.3年間追跡した。
その結果、1日の最初の食事と最後の食事の間隔(平均11.5時間)、起床から最初の食事を取るまでの時間(平均1.6時間)、最後の食事から寝るまでの時間(平均4.0時間)、および睡眠時間(平均7.5時間)は体重の増減と関連しないことが明らかになった。また、大量(1,000kcal超)または中等量(500〜1,000kcal)の食事の1日当たりの摂取回数は体重増加と関連する一方で、少量の食事(500kcal未満)の1日当たり摂取回数は体重減少と関連することも判明した。
Bennett氏は、「われわれの研究から、1日を通して摂取する食事の回数や量が増えるほど、体重が徐々に増える可能性も高くなることが明らかになった」と話す。ただし、この結果から、食事を摂取する時間帯を決める食事法である断続的断食について言及できるわけではないことを同氏は強調。「なぜなら、この研究では、対象者の食事摂取の意図までは調べていないからだ。われわれは、対象者に食習慣を変えるよう依頼したわけではなかったし、誰が減量したいと思っているのかについても把握していなかった。ただ、対象者の毎日の食習慣を追跡しただけだ。それゆえ、断続的断食について何かしらの結論を導き出すことはできない」と説明する。
またBennett氏は、本研究が観察研究であり、対象者が米国人を代表する集団ではなかったことを挙げ、食事の頻度および量と体重の増減との因果関係が証明されたわけではないと述べている。
米栄養と食事のアカデミーの元代表であるConnie Diekman氏は、「減量で大事なのは量とカロリーであることを示す研究報告は他にもある」と指摘。厳格な断食を含めるかどうかは別として、単に食事習慣を意識する姿勢を身に付けるだけで減量につながる可能性があるとの見方を示している。
▼外部リンク
・Association of Eating and Sleeping Intervals With Weight Change Over Time: The Daily24 Cohort
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