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【医薬品第一部会】中絶薬、分科会で再審議-部会では承認を了承

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2023年01月30日 AM10:07

薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は27日、ラインファーマの経口人工妊娠中絶薬「」(一般名:)の製造販売承認を審議し、承認しても差し支えないと判断した。ただ、製造販売後には厳格な管理が必要として、2月1日から1カ月間、管理方法についてパブリックコメントを募った上で、早ければ3月開催予定の薬事分科会で改めて承認可否も含め審議する。

同剤は妊娠継続に必要な黄体ホルモンの働きを抑えて妊娠の維持を阻害する抗プロゲステロン作用を持つミフェプリストン、子宮収縮作用を持つミソプロストールのパック製品。人工妊娠中絶数は2020年に14万件程度。手術が必要で中絶薬が承認されれば新たな選択肢となる。

用法・用量として、1剤目にミフェプリストン1錠を経口投与し、投与後36~48時間後の状態に応じて、2剤目のミソプロストールバッカル4錠を左右の臼歯の歯茎と頬の間に2錠ずつ30分間静置する。その後、口腔内にミソプロストールの錠剤が残った場合は飲み込む。

子宮内妊娠が確認された妊娠63日(妊娠9週0日)以下の妊婦に対する人工妊娠中絶を効能・効果としており、妊娠成立後一定の時期に適切な間隔で投与することで、妊娠の継続を中断し、人工妊娠中絶に至らせるとしている。

厚生労働省は、有効性・安全性についてはほぼ確認できているものの、「同剤に対する社会的関心が高く、慎重な審議が必要」として、製造販売後の管理方法についてパブコメを実施し、早ければ3月予定の薬事分科会でも審議することとした。

同剤の流通は妊娠中期における治療的流産の適応を持つ小野薬品の「プレグランディン腟坐剤」と同等の厳格さを持って管理することとし、使用状況の記録・管理も同様に行うこととした。母体保護法の指定医師による確認のもとで投与し、同剤を用いた人工妊娠中絶は緊急時に適切な対応が取れる体制を構築している医療機関で実施する。

販売当初は国内での経口中絶薬の使用経験が乏しいことを考慮し、十分な使用経験が蓄積され適切な使用体制が整うまでの間、有床施設において外来や入院で使用することとした。

国内第III相試験では、主要評価項目であるミソプロストール投与後24時間以内の人工妊娠中絶成功率は93.3%で、両剤の併用投与による人工妊娠中絶薬への有効性が示されたとしている。一方、主な副作用として、下腹部痛30%、嘔吐20.8%なども報告されている。

海外では、カナダ、豪州で承認されている。

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