調剤報酬に関わる個別指導を実施した保険薬局は371件、薬剤師は586人、新規個別指導を行った保険薬局は1845件、薬剤師は3030人、集団的個別指導を行った保険薬局は4476件、適時調査を行った保険薬局は14件、監査を行った保険薬局は7件、薬剤師は17人だった。
保険指定取消処分となったのは、富山県の「共創未来うおづすみれ薬局」の1件。調剤報酬の返還額は268万9000円で、21年8月19日付で保険薬局指定を取り消された。
開設者であるファーマみらいの職員が、同薬局において処方箋の不正操作が行われていたことを厚生局に報告。個別指導を実施した上で、監査を行ったところ、系列店舗で行った調剤をうおづすみれ薬局で調剤したものとして、調剤報酬を不正に請求していたことが判明した。また、不正請求に関する一部負担金を受領していた。
本来は指定取消処分を行うべき事案のうち、既に対象医療機関等が廃止されて行政処分が行えない施設を対象とした指定取消相当処分となったのは、福島県の「共創未来松川薬局」(21年12月23日付)、新潟県の「共創未来黒埼山田薬局」(22年3月18日付)、「共創未来下門前薬局」(同)の計3件。返還金額は、黒埼山田薬局が180万8000円、下門前薬局が88万8000円、松川薬局は「精査中」とした。
医科、歯科と合わせると51施設、104人に監査を実施し、指定取消相当を含めて26施設の指定と16人の登録を取り消したが、薬剤師の登録取消はなかった。指定取消は、前年度から7施設増加し、登録取消は2件減少した。
不正内容は、前年度と同様に架空請求、付増請求、振替請求、二重請求などが見られ、監査実施の通知を送付したものの繰り返し拒まれた「監査拒否」による指定取消処分が増加した。取消処分のきっかけは、保険者等からの通報が19件で大部分を占めた。
医療機関からの返還金額は48億4051万円(指導で14億7010万円、適時調査で20億7423万円、監査で12億9617万円)で、前年度から約11億1874万円減少した。
内訳は、医科が43億1801万1000円、歯科が4億1552万8000円、薬局が1億0696万9000円だった。