厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行に備え、夜間や休日に薬剤師が薬局に不在でもOTCの抗原定性検査キットを購入することについて、時限的・特例的に認める事務連絡を都道府県に発出した。通常の営業時間内に薬剤師が勤務していない場合などは特例措置を認めないこととしている。
OTCの抗原定性検査キットは第1類医薬品に位置づけられており、販売の際には薬剤師が購入者に情報提供を行う必要がある。しかし、コロナとインフルエンザの同時流行を見据え、抗原検査キットに対する国民のアクセスを確保する観点から、時限的・特例的対応として、薬剤師が不在で対面での販売が難しい時間帯でも電話や情報通信機器を活用した販売を認めることにした。
薬剤師が夜間や休日に店舗にいない場合に限り認めることとしており、通常営業時間内に薬剤師が勤務していない、あるいは同時間内に薬剤師が勤務する時間が極端に短い場合は認めない。
販売方法として、予め薬剤師が店舗外から情報提供と適切な判断ができる環境と体制を整備した上で、購入者の反応や状況を音声や映像でリアルタイムで確認しながら情報提供できる方法で行うよう求めた。
情報提供に用いる書面については、薬剤師が情報通信機器に表示するほか、情報提供を行う薬剤師と連携して店舗内の管理者が購入者に提示するなど、購入者が必ず確認できるよう提示方法を工夫すべきとしている。
製品の取り違いを起こさないよう販売する検査キットのみを所定の場所に保管し、販売のたびにバーコード等を用いて照合するなど、確実に誤りなく販売できる体制を整えておくほか、品名、数量、日時等を書面に記録し、2年間保存することも求めた。
これらの販売方法を行うには、備考欄に「抗原検査キット時間外販売対応」と記載した上で、医薬品の特定販売を行う届出を提出することとした。