■規制改革で中間答申
政府の規制改革推進会議と国家戦略特別区域諮問会議は22日、規制改革推進に関する中間答申を決定した。人口減少に対応した規制改革として調剤業務の一部外部委託を明記したほか、プログラム医療機器(SaMD)を早期に現場で使用できるよう「2段階承認制度」の導入について来年度までに結論を得て、薬事承認までにかかる期間を現在の4年超から1年程度まで短縮することを目指す。
中間答申では、人口減少に対応した規制改革として、専門人材の活躍を促す制度見直しを行う。その内容として、調剤業務の一部外部委託、医療関係職種間のタスクシフト・タスクシェアの推進などを明記。対物業務から対人業務に転換を図るため、調剤業務の一部外部委託を解禁する方向性が示された。
国は特区制度を活用して数カ月程度にわたって実証事業を行い、結果を踏まえて制度設計を目指す案を示しているが、特区制度を活用した事業実施には日本薬剤師会が反対姿勢を示している。
SaMDの開発・市場投入の促進に必要な取り組みも盛り込んだ。具体的には、SaMDを早期承認して臨床現場での使用を可能とするため、2段階承認制度を導入する方向で検討する。今年度内に検討を開始し、2023年度に結論を得て、現状の薬事承認にかかる4年超の期間を1年程度まで短縮することを目指す。
第1段階では、非臨床試験で評価できる場合や探索的臨床試験が必要である場合の整理、標榜可能な臨床的意義の範囲など、SaMDの使用目的や機能の違いに応じた検討を行う。第2段階では、治験のほか、リアルワールドデータ(RWD)などを活用して有効性の確認を行うこととした。
革新的SaMDの開発を可能とするため、現在は開始まで5年以上かかる保険償還に関する新たな仕組みを設け、1年程度に短縮することも目指す。
また、内閣府は、今後の国家戦略特区制度の運用方向性を示した「地方創生のための制度改革・規制改革に関するアイディア募集を踏まえた施策パッケージ」を公表した。
医薬分野では、ドローンによる医薬品配送の合理化や希少疾患治療薬の開発・承認時で海外試験成績の活用を進め、医薬品開発の迅速化や流通の合理化の実現を目指す。