医療従事者の負担軽減・業務効率化を目指す
藤田医科大学は12月20日、サービスロボット(以下「ロボット」)を使った配送業務自動化の実証実験の最終フェーズが同大で開始されていることを発表した。この実証実験は、同大と川崎重工業株式会社、SEQSENSE株式会社、TIS株式会社が共同で実施しているものだ。
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これまで、医療従事者の負担軽減・業務効率化を目指す取り組みとして、ロボットの種類や試験内容が異なる実証実験が続けられてきた。フェーズ1は2021年10月に実施され、自律走行機能を有したロボットによる同一フロア内搬送の検証と、人のエレベータ操作補助あり別フロア移動の検証が行われた。フェーズ2は、2022年2月に実施され、自律走行機能・エレベータ連携機能を有したアーム付きロボットによる別フロア間搬送の検証(検体配送・見守り)、「iPNT-KTM」を活用したロボットの位置情報の把握に関する検証が行われた。今回はフェーズ3として、サービスロボットによる病院内作業と病院側システムとの連携検証、ロボットの荷室サイズや構造、使い勝手の検証が行われる計画だ。
複数台のロボットによる検体搬送業務や臨時薬剤の配送を24時間体制で行えるかを検証
具体的には、複数フロアにロボットを複数台配置し、エレベータやセキュリティドアとロボットを連携させながら、スタッフステーションから検査室までの検体搬送業務や臨時薬剤の配送を24時間体制で行い、複数台ロボット運用時の課題や現場での運用方法について検証する。その中で、ロボットと人がエレベータに相乗りする場合の運用方法についても検証する。
ロボット本体は、フェーズ3の1回目の実証実験(2022年8月)の際、実際にロボットの導入が想定される現場スタッフから寄せられた要望を反映し、荷室の扉位置見直しやICカードによるロック機構を設けるなど、走行の安全性を確保しながら、より使いやすくするための改善が施されたという。
複数のロボットとエレベータなどのインフラ設備との相互連携を実現するためにTISの「RoboticBase(R)」を活用、さらに複数台のロボットを運用することによるロボット同士の干渉はSEQSENSEのロボット制御技術で対応している。
今回の実証実験で、エレベータやセキュリティドアなどのインフラ設備との連携を含む、ロボットを24時間連続で運用する上での課題などを確認した上で、今後、同大での2022年度内トライアルサービス開始(ロボット導入)に向けた最終準備を進める、としている。
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・藤田医科大学 プレスリリース