医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、2021年度の治験中にある医薬品の副作用等報告数が前年度比約2倍の25万3093件となったことを公表した。20年9月の医薬品医療機器等法(薬機法)の改正に伴い、治験副作用報告の対象が開発薬だけでなく、併用薬や対照薬まで広がったことによるものと見られる。
21年度の医薬品の治験中副作用報告数は、国内の被験者に生じた報告対象の副作用等の報告(国内起源)が1142件、国内で実施されている治験の治験薬と同一成分で海外で使用されているものにより生じた報告対象の副作用等の報告(国外起源)が25万1951件で、合計25万3093件となった。前年度比約2倍の件数となり、14年度の集計開始以降最も大きかった。
増加の背景として、20年9月の改正薬機法の省令施行に対応する形で、開発中の薬剤のみに限定していた治験副作用報告の対象を、併用薬や対照薬まで広げたことによるものと見られている。
一方、医薬品の治験計画届出件数も公表され、21年度は計808件、そのうち医師主導治験は75件だった。前年度比19件増で、14年度以降過去最大の件数となった。
内訳を見ると、治験を始める際に出す初回治験計画届が194件、第II相や第III相試験の移行時に提出する治験計画届が614件となった。薬効分類別では、抗悪性腫瘍剤の362件が最も多く、ビタミン、血液、体液用剤などの代謝性医薬品が97件、ワクチンなどの生物学的製剤が59件、中枢神経用剤が53件と続いた。
また、治験中止届は135件、開発中止届は122件、治験計画変更届は7114件、治験終了届は525件、いずれも14年度以降最大の値となった。特に治験中止届は前年度の82件から135件と大幅に増加した。