16週時点でプラセボと比較して有意かつ臨床的に意義のある改善
UCB S.A.は12月9日、ビンゼレックス(R)(一般名:ビメキズマブ)について、中等度から重度の成人化膿性汗腺炎における有効性と安全性を評価する2つの第3相臨床試験、BE HEARD Iおよび BE HEARD IIのトップライン結果を発表した。
BE HEARD I試験は、中等度から重度の成人化膿性汗腺炎におけるビンゼレックスの有効性と安全性を評価する、無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同並行群間比較第3相臨床試験。BE HEARD Iには中等度から重度の化膿性汗腺炎の患者505人が参加した。
BE HEARD II試験は、中等度から重度の成人化膿性汗腺炎におけるビンゼレックスの有効性と安全性を評価する、無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同並行群間比較第3相臨床試験。BE HEARD IIには中等度から重度の化膿性汗腺炎の患者509人が参加した。
両試験ともに主要評価項目を達成。16週時点での化膿性汗腺炎の臨床反応50(HiSCR50)を達成した患者の割合で、プラセボと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。ビンゼレックスは、主要な副次評価項目である16週時のHiSCR75を達成した患者の割合においても、プラセボと比較して統計学的に有意な改善を示し、奏効の深さ(depth of response)を示した。HiSCR50およびHiSCR75は、膿瘍および炎症性結節(AN)の総数がベースラインからそれぞれ50%および75%以上減少し、かつ膿瘍数および排膿性瘻孔数に増加がない状態と定義されている。なお、両試験における安全性のプロファイルは、過去の試験のデータと一致しており、新たな安全性シグナルは認められなかった。
IL-17A/Fの阻害抗体、2023年第三四半期以降、各国で承認申請予定
ビンゼレックスは、炎症性疾患の発症に重要な役割を果たしている炎症性サイトカインIL-17AとIL-17Fをともに選択的かつ直接的に阻害するヒト化モノクローナルIgG1抗体。ビンゼレックスは、成人の中等度から重度の尋常性乾癬の治療薬として2021年8月にEU/EEAおよび英国で承認された。
日本国内においては、2022年1月20日に既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症に対して製造販売承認を取得。同年4月20日より販売を開始している。化膿性汗腺炎の他、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)および体軸性脊椎関節炎への適応追加に関しても、現在第3相試験を実施している。
同社は両試験の結果に基づき、2023年第三四半期以降、各国で承認申請を行う予定。なお、化膿性汗腺炎に対するビンゼレックスの安全性と有効性は現時点では確立しておらず、化膿性汗腺炎の適応を承認している国はない。
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・ユーシービージャパン株式会社 プレスリリース