日本保険薬局協会(NPhA)は15日、検体測定室等において薬剤師が専用器具を用いて採血する行為を医師法上の医行為から除外するよう、政府の規制改革推進会議医療・介護・感染症対策ワーキンググループ(WG)に要望した。検体測定の利用促進を目的としたもので、厚生労働省は「実現には法改正が必要」との認識を示している。
NPhAはこの日のWGで、検体測定室関連の規制緩和を複数要望した。
薬局に設置された検体測定室では、利用者が自ら指先から血液を採取することで、血糖値や中性脂肪などを簡易に測定できる。採血の際には利用者が穿刺器具を手指に刺す行為について、▽自ら行う穿刺への不安、失敗による再穿刺▽穿刺部分の消毒▽採血可能と思われる部位の判断――の課題があることから、NPhAは穿刺が初めてで苦手な利用者には、薬剤師が専用器具で穿刺することでスムーズに安心感を持って測定が可能になると主張した。
厚労省は検体測定室における採血は、医師法に基づき、医師の判断が必要な医行為(穿刺行為)に当たるとの見解を示していることから、NPhAは単回使用の専用器具を用いて薬剤師が穿刺することを医行為から除外するよう規制緩和を求めた。
医行為に関する規制緩和について、委員からは「採血を行った薬剤師または薬局など、誰が責任を負うことになるか整理が必要」との指摘があった一方、「医療人材の不足が深刻になる中、薬剤師が採血を手伝うことが安全性の流れから望ましい方向性だ」と歓迎する声も上がった。
要望を踏まえ、厚労省は「現行法では薬剤師は診療補助を行う職種に当たらないので、法改正が前提となる」と応じた。
また、NPhAは、測定結果を踏まえた薬剤師の助言も認めるよう求めた。現行ルールでは、利用者が測定結果に関する質問をした場合、かかりつけ医に相談するようアドバイスすることとしている。薬局の健康サポート機能強化、受診勧奨や生活習慣病改善など行動変容につなげることを目指し、薬剤師が測定結果に助言できるようにすべきと提言した。