この日の検討会では、2024年度からの次期医療計画において6事業目となる「新興感染症対応」について厚労省が対応の方向性を提示。計画策定の基本的考え方として、対応する新興感染症には新型インフルエンザ、指定感染症、新感染症を想定しつつ、まずはこれまでの対応の教訓を生かすことができる新型コロナウイルスへの対応を念頭に取り組むこととした。
都道府県においては、平時から予防計画・医療計画により感染症発生・蔓延時の地域における医療機関の役割分担を明らかにしつつ、感染症医療提供体制の確保と通常の医療提供体制の維持を図ることとした。
具体的には、平時からの取り組みとして、都道府県が予防計画、医療計画を策定するほか、対応可能な薬局など医療機関・病床の確保、専門人材の確保などを挙げた。
薬局を含めた医療機関数、病床数など医療提供体制確保に関する数値目標の設定は、これまで取り組んできたコロナ対応の実績を参考にすることとした。
荻野構一構成員(日本薬剤師会常務理事)は「薬局と明示している部分もあれば、医療機関に含まれているかどうかも分からない点もあり、感染症医療に薬局が関与しないとの誤ったイメージになりかねない」として、医療機関と医療提供施設を明確に記載するよう求めた。
数値目標に関しても、「地域の薬局では、住民が事前に抗原検査キットや解熱鎮痛剤を自宅で準備するためにOTCを含めた販売体制の整備に積極的に取り組んでいる」として、薬局の具体的な役割や体制を計画に位置づける必要があると主張した。
一方、この日の会合では、厚労省が検討会の意見取りまとめ案を示した。「医療従事者の確保等の記載事項」に関する項目では、薬剤師の確保を明記。素案に対する構成員の意見を踏まえ、取り組みの実施だけでなく、検討の段階から都道府県、都道府県薬剤師会、病院薬剤師会、関係団体等が連携することも新たに記載した。