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【要指導・一般薬部会】要指導薬で初の抗肥満薬-大正のダイレクトOTC

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2022年11月30日 AM10:40


■生活習慣改善を補助

薬事・食品衛生審議会要指導・一般用医薬品部会は28日、大正製薬の抗肥満薬「」(一般名:)について、要指導医薬品としての製造販売承認を審議し、了承した。アライはダイレクトOTCで、生活習慣改善の取り組みと合わせて内臓脂肪等を減少するための補助的な医薬品は初めてとなる。厚生労働省は、2023年3月末をメドに承認したい考え。

アライは、男性85cm以上、女性90cm以上の腹部に該当する人における内臓脂肪および腹囲の減少(生活習慣改善の取り組みを行っている場合に限る)を効能・効果とする。

肥満だが健康障害のない人を服用対象としており、運動や食事など生活習慣改善の取り組みと組み合わせて補助的に使用する。有効成分であるオルリスタットの承認は、医療用医薬品、OTC医薬品のいずれにおいても初となる。リパーゼ阻害作用を有し、食事由来の脂質の体内吸収を抑制する作用機序を持つ。

内臓脂肪が過剰蓄積した日本人を対象としたプラセボ二重盲検比較試験の結果では、内臓脂肪面積変化、ウエスト周囲変化率がプラセボ群よりも優位に低下したことが確認されている。

18歳以上を服用対象としており、脂質異常症、高血圧、睡眠時無呼吸症候群などチェックシートの11項目に該当する人は服用不可とした。同有効成分によりアレルギー症状が確認された人、ワルファリン等の抗凝固薬を服用中の人なども使用できない。

同剤はダイレクトOTCとして、2019年3月に承認申請が行われていた。申請から審議までに3年半以上かかった理由として、厚労省は「申請者、審査当局共に適正使用に関する検討に時間を費やしたため」と説明している。

再審査期間は8年で、承認条件は課していない。

海外では、19年3月時点で米国など100カ国以上で医療用医薬品として、70カ国以上でOTC薬として承認されている。

また、この日の部会では、サノフィの抗アレルギー性鼻炎薬「」(フェキソフェナジン塩酸塩/塩酸プソイドエフェドリン)の要指導医薬品の製造販売承認についても審議し、了承した。

同剤は、花粉やハウスダスト等によるくしゃみ、鼻水、鼻づまりといった鼻のアレルギー症状の緩和を効能・効果とする。LTLファーマの医療用医薬品「ディレグラ配合錠」をOTC化したもので、同一効能のOTC薬として、「アレグラFX」が承認されている。

再審査期間はないものの、承認条件として、少なくとも3年間の安全性等に関する製造販売後調査を実施するよう求めた。

海外では、米国で同一有効成分の配合剤がOTC薬として承認されている。

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