厚生労働省は24日、第8次医療計画等に関する検討会で、地域の実情に応じた薬剤師確保策の実施など計画策定に向けた取りまとめ素案を示した。薬剤師構成員から、確保策の検討段階から都道府県や関係団体などが連携することも盛り込むよう求める意見があり、厚労省は前向きな考えを示した。
素案では、2024年度開始の次期医療計画に向けて見直しが必要とする事項として、▽医療計画全体▽5疾病・6事業および在宅医療のそれぞれの医療提供体制等▽外来医療にかかる医療提供体制の確保に関するガイドライン▽医師確保計画策定ガイドライン――の4項目を明記した。
医療計画全体に関する項目では、薬剤師確保の必要性を盛り込んだ。具体的には、病院薬剤師と薬局薬剤師の役割をそれぞれ明確にし、就労状況の把握、地域の実情に応じた薬剤師確保策を実施するよう求めた。
修学資金貸与や病院への薬剤師派遣など、地域医療介護総合確保基金を積極的に活用すること、都道府県の薬務主管課と医療政策主管課が連携して取り組むことなども必要とした。取り組みを実施する際には、都道府県、都道府県薬剤師会、病院薬剤師会、関係団体が連携することとした。
荻野構一構成員(日本薬剤師会常務理事)は、確保策を実施する際のステークホルダーの連携について、「薬剤師の確保策を実行に移す段階だけでなく、検討段階も含めてほしい。特に病院薬剤師の確保については、検討段階から病院薬剤師会も参加することが重要」と指摘した。これに対して厚労省は「修正はあり得ると思うが、持ち帰って検討したい」と応じた。
5疾病・6事業および在宅医療のそれぞれの医療提供体制等に関する事項では、災害時における医療対応として、被災した都道府県は大規模災害発生時に災害薬事コーディネータ等で構成される保健医療福祉調整本部を設置し、薬剤師チーム等との連絡、情報連携を行うための連絡窓口を設置し、災害時における保健医療福祉活動の総合調整を行うこととした。
対象疾病の一つである癌にも言及。拠点病院等において、地域の医療機関との連携も含めてチーム医療の提供体制の整備を進めることとした。