都薬が後発品の流通・多応状況に関するアンケート調査を実施するのは昨年6月、昨年8月に続き3回目。会員薬局の管理薬剤師と薬局開設者にウェブで質問し、633の有効回答を得た。
薬局で採用している後発品について「現在の卸の納入状況」を聞いたところ、「納品が滞り、調剤業務に影響が出る場合がある」が72.4%、「製品が流通していないため発注ができない場合が多くある」が17.4%となった。「希望した発注数通りではないが、調剤業務に影響が出ない範囲で納入されている」は10.0%、「希望した後発品が発注数通りに納品されている」は0.3%にとどまった。
既に発注しているが、現在納品が滞っている品目数は「10~19品目」が最も多く、「20~29品目」が続いた。
「納品が滞り調剤業務に影響が出る場合がある」「製品が流通していないため発注ができない場合がある」を選択した人に入手困難な後発品の品目数を聞いたところ、「10品目以上」が65.3%を占めた。
薬効分類では「鎮咳剤、去痰剤、鎮咳去痰剤、気管支拡張剤」が20.8%、「睡眠鎮痛剤、抗不安剤、抗てんかん剤」が19.8%、「不整脈用剤、血圧降下剤、血管収縮剤、血管拡張剤」が15.3%と続いた。
入手困難な先発品の薬効分類では「睡眠鎮痛剤、抗不安剤、抗てんかん剤」が24.4%と最も多く、「鎮咳剤、去痰剤、鎮咳去痰剤、気管支拡張剤」が22.8%となった。
現在入手困難な後発品の銘柄では、「カロナール」がトップとなり、「カルボシステイン」「デキストロメトルファン臭化水素酸塩」「アルブラゾラム錠」「カルボシステイン錠」の順となった。
一方、6月時点の後発品使用率が2021年6月に比べ、「上がっている」と回答したのは26.2%で、「下がっている」の28.3%を下回った。「変わらない」は45.5%となった。使用率が上がった回答者のうち、上昇率で最も多かったのは「0~1%」であるのに対し、下がったと回答した人のうち下降率が最も多かったのは「5%」と下降割合が大きい傾向が明らかになった。
後発品メーカーに対する自由回答では、「患者自身が今まで飲んでいた薬は大丈夫なのかという不安を耳にするようになった。早急な改善をお願いしたい」「安定供給できない。後発品を薦めていた患者に不信感を与える」など、患者への影響を不安視する意見が多かった。