■小児科学会など
日本小児科学会と日本小児科医会は2日、生後6カ月以上5歳未満の小児全員に新型コロナウイルスワクチンの接種を推奨するとの見解を公表した。オミクロン株流行後に乳幼児の感染例が増加する中、ワクチンの有効性に関するエビデンスが示されていることを踏まえたもの。
国内の10歳未満におけるコロナによる死亡者数は2021年末まではゼロだったが、オミクロン株流行後の9カ月間で21人まで増えた。2歳未満と基礎疾患のある小児患者では重症化リスクの増大が見られるほか、オミクロン株に罹患した人では発熱頻度が高く、咽頭痛や嘔吐等の報告数が比較的多い。オミクロン株流行後は小児間での感染機会も増加傾向にある。
生後6カ月以上5歳未満の乳幼児に接種が認められているワクチンとして、ファイザー製品が10月に承認されており、予防接種法上の特例臨時接種の対象となっている。
対象年齢の小児4536人に実施した第II・III相試験では、16~25歳と同程度に抗体価が上昇したほか、発症予防効果が期待できることから、生後6カ月以上5歳未満の健康な小児へのワクチン接種を推奨するとの考えを示した。
小児科学会は、「マスクを着用できず、唯一できる積極的な予防策がワクチン接種だ。接種によって次の流行に備えることが必要」との声明を発表した。