プレセデックスは有効成分のデクスメデトミジン塩酸塩を含有するα2作動性鎮静剤で、新たに小児の非挿管での非侵襲的な処置および検査時の鎮静を効能・効果に追加する一部変更承認を申請していた。特定用途医薬品として初の審議となった。
継続審議となった理由について厚生労働省は、「単剤で使用することで必ず鎮静が行われるのか、鎮静が不十分の場合はどの薬剤と併用するかを確認する必要があると判断されたため」と説明。また、副作用として呼吸抑制や血圧低下などが見られることから、ファイザーに対し、適正使用に向けた情報を整理するよう求め、次回以降の部会で報告を受けることとなった。継続審議に当たって追加試験などは要求していない。
また、エーザイの「アリセプト」について、2014年に追加されたDLBの効能に関する再審査結果を公表し、企業に一部変更承認申請を求める「カテゴリー2」とすることを確認した。今後、速やかに企業による申請の手続きが行われる予定で、後発品についても順次対応を求める。
製造販売後臨床試験の結果によると、有効性の主要評価項目である臨床症状を総合的に評価する指標「CIBIC-Plus」ではプラセボと比較して改善度の分布に有意差が見られなかった。
一方で認知機能については改善傾向が見られるなど、一部の患者では有効性が示されたことから、有効性が認められる場合のみ投与を継続することが妥当と判断。添付文書の「用法・用量」「効能・効果に関連する注意」の一部を変更するよう企業に指示した。
用法・用量について「同剤の投与を開始後12週間後までを目安に、認知機能検査や患者や家族、介護者から自他覚症状の聴取等による有効性評価を行い、ベネフィットがリスクを上回ると判断できない場合は投与を中止すること」を修正案として提示。効能・効果に関する注意については、「認知症治療に精通した医師の指導のもとで、同剤の使用が適切と判断された患者においてのみ使用する」「全般臨床症状に対する同剤の有効性は確認されていない」旨を記載するよう求めた。