厚生労働省の「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」が27日に開かれ、民間シンクタンクから薬価・流通制度、産業構造について意見を聞いた。新時代戦略研究所(INES)の朝井淳太代表は、経済成長に基づき合意した薬剤費成長率で総薬剤費規模を設定する薬価調整メカニズムを改めて説明したが、一部の構成員からは「日本の低いGDP成長で日本の医薬品市場の魅力を高める策としては現実的でない」との否定的な意見が出た。
INESは、2021年5月に薬価制度改革案を公表した。経済成長に合わせ市場成長を担保し、市場成長に合わせた薬価改定を行うマクロ的アプローチと、イノベーティブな新薬を適切に評価し、財源配分していくミクロ的アプローチの両立を目指している。今後10年間の平均成長率予測をもとに、少なくともGDPと同じ成長率まで医薬品成長率を担保することで、総薬剤費規模を引き上げるとの考え方だ。