日常的な電解水素水の飲用がIBDの症状を緩和するのか動物モデルで検証
株式会社日本トリムは10月26日、電解水素水の日常的な飲用が、炎症性腸疾患(IBD)モデルラットの腸炎の症状を軽度に抑え、早期に回復させることを明らかにしたと発表した。この研究は、同社と理化学研究所との共同研究によるもの。研究成果は、「Nutrients」オンライン版に掲載されている。
画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)
IBDは腸の炎症が原因で、下痢、血便、腹痛、体重減少、倦怠感、発熱などの症状が起こる難病。発症するとQOLの低下ばかりではなく、時には大腸全摘出や大腸がんを併発することもある。
一方、電解水素水は「胃腸症状の改善」が認められた管理医療機器の整水器から生成される。研究グループは今回、日常的な電解水素水の飲用がIBDの症状を緩和するのかについて、動物モデルで検証した。
電解水素水飲用群は水道水飲用群に比べ、腹部疼痛が軽度
研究では、8週齢のウィスター系ラットに「2, 4 ,6-トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)」を腸内に投与することでIBDを発症させ、電解水素水または水道水(対照水)は、TNBS投与の10日前から実験終了まで自由飲水させた。腹部疼痛は、腸管内に圧力をかけた際の腹筋(外腹斜筋)からの筋電図反応に基づいた疼痛閾値(mmHg)により評価。また、腸組織や血液の酸化ストレスマーカー、抗酸化マーカー、炎症マーカーも評価した。
その結果、電解水素水飲用群は腹部疼痛の程度が水道水飲用群よりも軽く(閾値が高い)、TNBS投与後6日目には消失していた。一方、水道水飲用群は14日目に消失していた。
電解水素水飲用で、炎症/酸化ストレスマーカーの上昇と抗酸化マーカーの低下が抑制
8日目の腸組織には、水道水飲用群は炎症性細胞がまだ見られたが、電解水素水飲用群では顕著に低下。さらに、電解水素水飲用は、TNBS投与による炎症マーカー、酸化ストレスマーカーの上昇を抑制し、抗酸化酵素活性(抗酸化マーカー)の低下を抑制したという。
今回の研究により、電解水素水の日常的飲用が腸内炎症を抑制し、再発しやすいIBDの症状緩和に効果が期待されることが示唆された。「本研究により、IBDモデルラットの飲み水を電解水素水に替えて継続飲用するだけで酸化ストレスや腸内炎症が抑制され、疼痛が緩和されていることから、今後、患者での効果の評価が待たれる」と研究グループは述べている。
▼関連リンク
・株式会社日本トリム 研究開発 発表論文一覧