遺伝子組換え帯状疱疹ワクチン、50歳以上成人対象P3試験の中間結果
英グラクソ・スミスクラインは10月19日、帯状疱疹予防ワクチン「シングリックス(乾燥組換え帯状疱疹ワクチン)」について、ZOSTER-049試験で良好な中間結果が得られたことを発表した。同試験における中間解析データは、米国感染症学会の年次総会(ID Week 2022)で発表された。
今回の結果は、2つの第3相臨床試験(ZOE-50とZOE-70)の延長試験であるZOSTER-049試験から得られた。これらの2つの試験から、これまでの約4年間の追跡期間で、50歳以上の成人では97%、70歳以上の成人では91%のシングリックスの有効性が示された。ZOSTER-049試験は、ZOE-50試験とZOE-70試験の被験者に対してさらに6年間の追跡調査を行う試験であり、現在も進行中。シングリックスの長期有効性、免疫原性および安全性の評価を継続して行う。
シングリックスは、生ワクチンではない遺伝子組換えアジュバント添加サブユニットワクチン。遺伝子組換え抗原である糖タンパクEおよびアジュバントであるAS01Bを組み合わせたものだ。欧州経済地域(EEA)を含む数か国において、シングリックスは、帯状疱疹のリスクが高い18歳以上の成人を対象として承認されている。遺伝子組換え帯状疱疹ワクチンは、このリスクの高い患者に対して承認されている唯一の帯状疱疹ワクチンだ。
接種後最長10年、ワクチンの有効性81.6%
ZOSTER-049試験では、ZOE-50とZOE-70試験の完了後、さらに6年間にわたり有効性、安全性および免疫原性を評価している。4年以上の長期追跡調査期間に実施された中間解析では、ワクチン接種後最長10年(平均:ワクチン接種後5.6±0.3年から9.6±0.3年)にわたり、ワクチンの有効性は81.6%。初回試験の2回目接種後1か月からワクチン接種後10年まで(平均:ワクチン接種後9.6±0.3年)では、ワクチンの有効性は89.0%だった。
同継続投与試験で認められた安全性プロファイルは、ワクチンの確立された安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性の懸念事項は特定されなかった。重篤な有害事象の発現割合は試験対象集団の年齢と一致しており、死亡例やワクチンとの因果関係が否定できないと判断されたその他の安全性有害事象(SAE)は報告されず、帯状疱疹関連合併症が5例(帯状疱疹後神経痛(PHN)3例および播種性帯状疱疹2例)報告された。
同試験では計7,413人の被験者を安全性コホートに登録。被験者の60.7%が女性、39.3%が男性。被験者は白人(ヨーロッパ系)76.0%、アジア系18.7%、その他5.3%だった。ZOSTER-049試験は、日本、オーストラリア、ブラジル、カナダ、チェコ共和国、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、香港、イタリア、韓国、メキシコ、スペイン、スウェーデン、台湾、英国、米国の18の国・地域で実施されている。
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・グラクソ・スミスクライン株式会社 プレスリリース