調査は、都道府県薬剤師会の協力を得て全国の敷地内薬局に関する情報を収集し、まとめたもの。8日に仙台市で開催された都道府県会長協議会で森昌平副会長が明らかにした。
国公立病院による誘致事例は56件から81件、公立病院は31件から44件、社会保険病院は4件から6件、私立・民間病院などその他病院は63件から94件となった一方、診療所は32件から31件へとわずかに減少した。
森氏は、「4月に診療報酬、調剤報酬で対応したが、今も誘致が続いている」と説明。
敷地内薬局については厚生労働省の「薬剤師の養成および資質向上等に関する検討会」などでも委員から否定的な見解が示されたことを踏まえ、「今回の調査結果をあらゆる機会、あらゆる場を通して日薬としてしっかり意見を出していきたい」と述べた。
また、敷地内薬局の誘致を増加させないためには、各都道府県薬剤師会の対応も重要との考えを示した。北海道薬剤師会が医療機関による敷地内薬局誘致後に設置を阻止した事例を挙げ、「事例を把握した場合には、各都道府県薬剤師会もすぐに動いていただければと思っている」と要請した。
一方、9月26日に受付を再開した薬剤師資格証(HPKI)についてウェブでの申請書作成が1日400~500件、今月4日現在で1498通の申請書受付が行われていることが報告された。
2023年1月の電子処方箋本格運用開始に向けては不安の声もあり、静岡県薬剤師会の石川幸信会長は、「HPKIを取ってもその後の情報が掴めない。オンライン資格確認ではマイナポータルを申し込んで設備が整うまでに2年かかったが、同じような状況になるのではと心配している。電子処方箋を受け取るためにどんな設備が必要で、費用や待機時間がどのくらいかかるかなど青写真を出していただきたい」と質した。
これに対し、渡邊大記副会長は「ベンダーのシステム構築がほぼ終わっている状態だが、費用の見積もりが終わっておらず、薬局にどこまでの費用負担を求めるのか分からない」と述べるにとどめた。