厚生労働省は5日、ファイザーの新型コロナウイルスワクチン「コミナティRTU筋注」(一般名:コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン)について、オミクロン株BA4/5系統に対応した成分・分量を追加する製造販売承認事項の一部変更を特例承認した。また、6カ月~4歳の小児を対象とする「コミナティ筋注6カ月~4歳用」(一般名:トジナメラン)も特例承認した。
第7波の感染拡大では、オミクロン株が主流となっていることを受け、9月12日にファイザー製とモデルナ製のBA1系統対応2価ワクチンを特例承認していた。オミクロン株のBA1とBA4/5の系統間でウイルスの抗原性が大きく異ならないため、非臨床試験成績のみで製造販売承認を評価し、薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が5日にBA4/5対応2価ワクチンの特例承認を了承。即日に特例承認した。既に接種を推奨している欧米と同様に、臨床データの提出は承認後に求めることとしている。
安全性については、既承認のBA1系統と同株であることから安全性に大きな差はないとし、海外での使用実績等を踏まえて最新情報を引き続き注視するとした。
接種年齢は従来通り12歳以上で、接種間隔についてはBA1系統対応2価ワクチンと同様に少なくとも前回の接種から5カ月経過後としているが、海外の動向を踏まえて短縮する方向で検討し、今月下旬までに結論を得ることとしている。
また、この日の部会では、6カ月~4歳の小児を対象とする「コミナティ筋注6カ月~4歳用」の製造販売承認についても審議の結果了承され、同日に特例承認した。
第7波の感染拡大に伴い、小児における重症・中等症例が増加していることを受け、承認申請が行われた。米国、カナダ、イスラエルでは既に同年齢に対する接種がスタートしている。
用法・用量は、生理食塩液2.2mLで希釈した後、1回0.2mLを計3回、筋肉内に接種する。2回目は通常3週間の間隔、3回目は2回目の接種から少なくとも8週間経過した後に接種する。